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カメラマンの20年後、30年後はどうなる?

カメラマンの20年後、30年後はどうなる?

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デジタルカメラ、ミラーレスカメラなどが登場し、誰もがスマートフォンで写真を撮影することができるようになっていますが、カメラマンの仕事や働き方は今後どのように変化していくでしょうか。また、AIが発達することで影響はあるのでしょうか。あるカメラマンの観点から、意見を聞いてみましょう。

カメラマンの知識や技術が脅かされる時代がすでに来ているかもしれない

スマートフォンへのカメラ搭載などにより撮影はすでに一般的なこととして認識されています。SNSで写真が多く使われていることからもわかるように、わざわざカメラをもつことなく、誰もがスマートフォンを携帯することで写真撮影の大衆化が進んでいるのです。カメラやスマートフォンのカメラ機能の充実ぶりは目を見張るものがあり、写真家がもつ専門の知識をボタン一つで利用することが可能な時代になっています。
AIの発達の観点で見ても、カメラマンの技能や知識が脅かされる可能性があります。AIが搭載されたロボットがライティング、露出、角度、構図を自動的に設定して撮影をこなすなど、撮影の全工程を仕上げる時代になることも考えられるからです。
例えば、インターネットのオンラインショップで販売される数百点にも上る服の撮影をAIが担うということが考えられます。前、後ろ、左右のあらゆる角度から商品を撮影して、生地の質感や柄などの細かい点までも網羅し、でき上がった写真をセレクトして、納品までの一連の作業をこなす、というパターンです。
実はこの作業はとても大変であり、消費する世界でもあるため、カメラマンよりもAIが担当したほうがいいと、あるカメラマンは話します。
また、レタッチ専門のソフトにはAIが組み込まれているものもあります。鼻や目、肌の状態を読み取って、つやを出しきれいにしてくれるようなしくみですが、そのようなソフトが流通し誰でも使えるようになれば、一部とはいえ、写真家の技術力は必要とされなくなるかもしれません。

「記憶による個性」を明確にすることが必要

AIが進歩することも考えつつ、プロのカメラマンとしては映像やVRといった、新しい技術が使える専門家として、日々学び続け、仕事の幅を広げていかなければなりません。マスメディアの広告方法が紙からインターネットなどへデジタル化しているように、カメラマンの専門性も変化しなければならないのです。それは表現の幅が広がるということであり、AIが実現できない「記憶による個性」を明確にするということでもあります。
あるカメラマンは、高校生の頃にアメリカンフットボール部の部長でした。試合中にハドルといって大声で部員を集めることがありますが、その記憶がカメラマンとしての個性を生み出していると言います。例えば、200人規模の集合写真を撮るときはかなりの大声を出して整列させないと、きれいに撮影することができません。もし、AIが同じ集合写真を撮影することになっても、この場で大声を出して整列させることがどれだけ大切で必要なことかは、AIにはわからないのです。そこが「記憶による個性」であり、逆に、個性がないカメラマンはAIに仕事を取られてしまうかもしれないと話してくれました。

取材協力

羽里彦太郎

独学にてフィルム撮影や現像などを学び、5年ほどフリーカメラマンを経て、2015年に株)Callaisを起業、現在は建築撮影、物撮り、ポートレイトなど幅広い範囲で、企業やベンチャー、外資や代理店などと仕事をしている。

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