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アニメーターの楽しいことと大変なこと

アニメーターの楽しいことと大変なこと

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限られた時間のなかで絵を描いていくアニメーターの仕事は大変なことが多いからこそ、その分、大きなやりがいを実感できる仕事ともいえます。ここでは現在、劇場版アニメやテレビアニメなどに携わるアニメーターが、新人のときに体験したすばらしい思い出を紹介しながら、アニメーターに必要な図太さや胆力について紹介します。

評価されること。それがアニメーターの最大の喜び

ここでは、劇場版アニメや人気テレビアニメで現在活躍中のあるアニメーターが体験したエピソードをご紹介しましょう。
当時、あるアニメーターは、アニメ業界に入って1年未満の新人でした。初めてテレビアニメの動画作成をまかされたアニメーターは、毎日毎日やってくる締め切りと闘いながら、指示された動画のカットをていねいに描き、学生時代に経験したことのないプレッシャーと疲労感を感じながら、なんとか無事に動画マンとしての役割を全うします。そしていよいよ、自分が携わったテレビアニメが初回放映日を迎えます。自宅で放映を最後まで見終わりホッと胸をなで下ろしたとき、スマートフォンに1通のメッセージが届きます。それは学生時代から付き合いのあるアニメ好きの友人からのメールでした。
「エンドロールに名前あったね。いい作品に仕上がっていたね。次の放送も楽しみ」
メッセージに書かれた短い友人の言葉を、何度も何度も読み返します。このときのうれしい気持ちがアニメーターとしての原動力になり、この友人の言葉がアニメーターとしての糧になったといいます。
このエピソードのように、アニメーターの仕事の楽しさといえば、やはり自分の仕事が評価されることに尽きるでしょう。評価にはいろいろなパターンがあり、自主制作したショートアニメが賞を受賞することも評価ですし、自分が描いた動画のカットを原画マンに持っていったとき、たったひとことでも「OK」と言われれば、それも立派な評価です。そして、友達から届いた「観たよ、良かったよ」というメールの短いコメントも大切なうれしい評価の一つです。人は誰かから評価されたことはずっと忘れないもの。だからこそ自信を深めていくために、評価される場や時間をたくさん積み上げていくことが大切です。

大変なことが多いからこそ胆力が大事なアニメーター

アニメーターの仕事には必ず納期 = 締め切りがあります。そしてその時間的制約のなかで、いいものを仕上げていかなければなりません。限られた時間のなかでクオリティーを維持していかなければならない点が、アニメーターの仕事の最大の大変さといってよいでしょう。
でも、クオリティーの高いものを描くためには、どうしてもそれなりの時間がかかります。つまり、時間に限りがあるといいものを描くことは比較的難しくなります。アニメーターの仕事はこの相反する条件のなかで、高クオリティーのものを、スピード感をもって仕上げていかなければならない厳しさがあります。
また、アニメーターになったあかつきには、自分自身の気持ちとの闘いも覚悟しておきましょう。
アニメーターに限らず社会人にとって、職場でのやりとりで腹の立つことがあったり、ストレスが溜まったりしたときに、うまく気持ちを切り替えることは重要なスキルです。
そして何より、クリエイティブな思考や気質をもつアニメーターは芸術家タイプが多い傾向にあるので、アニメの制作現場は、細部に強いこだわりをもつ人、点一つにもこだわる気難しい人、マイペースを貫く個性的な人といった職人タイプの人がたくさんいる世界と考えておきましょう。しかし、強いこだわりがあるからこそ、歴史に名を残す名作になることもあります。
同じように、アニメの制作現場で働くようになると、誰もが一度は制作物への強いこだわりをもつ職人気質の先輩や上司に言われたことに納得いかない経験をするもの。でもそんなことをいちいち気にして、その都度くよくよしていては、アニメーターは務まりません。小さなことには動じない。ちょっとしたことにへこたれない。そんな図太さや胆力がアニメーターにとって大切な素養なのです。

2024年11月更新
取材協力・監修
ふくだのりゆき/アニメーター、アニメ演出(スタジオあなろぐ所属)
1987年4月本橋秀之氏に師事してアニメーターになる。1999年8月マッドハウスに活動の拠点を置き「はじめの一歩」等の作品に携わる。2008年ごろからアニメーター新人支援にシフトする活動開始、現在に至る。

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