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アニメーターの1年目はどうだった?

アニメーターの1年目はどうだった?

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劇場版アニメともなれば長い制作期間の中で、千人単位のスタッフが携わることになりますが、テレビアニメでも、動作のポイントを押さえた原画と原画の間をつなぐ「動画」を描く「動画マン」として、ほとんどの新人アニメーターはキャリアをスタートさせます。ここでは「動画マン」に焦点をあて、アニメーターの1年目の仕事概要を見ていきましょう。

原画と原画の間をつなぐ「動画」を描く「動画マン」

アニメーターとしてデビューしたあと、ほとんどの新人アニメーターは動作のポイントを押さえた原画と原画の間をつなぐ「動画」を描く「動画マン」として修業していくことが、アニメ業界の習わしになっています。ここでは一般的なアニメ制作工程を見ながら「動画マン」の仕事について確認していきましょう。
ストーリー(シナリオ)に沿って、アニメ作品は次のような工程で進んでいきます。
・「コンテ」/シナリオをもとに演出とコンテマンがカットごとに詳しく記したコンテを作成
・「演出打ち」/コンテに沿って、監督・演出家がおおまかな演出を決める
・「作打ち」/演出家が各原画マンに描いてもらう絵柄などを説明
・同時に、背景、色、3Dなどの演出もこの段階で決定
・「レイアウト」/作品全体のレイアウトを原画マンが描く
・「演出チェック」/原画マンが作成したレイアウトを演出家がチェックし修正指示出す
・「作画監督チェック」/原画マンが作成したレイアウトを作画監督もチェック
・「原画」/指示内容をもとに、原画マンが原画を描いていく
・「演出チェック」/演出担当が2度めのチェック
・「作画監督チェック」/画監督が2度めのチェック
・ここで、ようやく「動画マン」が登場します
例えば「敵から逃れるため、大きな河を進む大型客船の上に30m上の橋から主人公が飛び降りる」というシーンがあったとしましょう。
「主人公」「敵」「大きな河」「大型客船」「河から30m上の橋」の構成(コンテ)はすでに決まっているので、コンテにそって原画マンが「敵に追われて橋の上にいる主人公」「橋から飛び降りて宙に浮いた主人公」「大型客船の上に降り立った主人公」の3パターンの原画を描きます。動画マンは原画マンから渡された3つの原画をもとに、主人公が橋から大型客船へ飛び降りる「動画」を描いていきます。

とにかく下積みを積むことが大事な新人アニメーター

「動画マン」までの制作工程がわかったところで、新人アニメーターがどのような経験を積んでいけばよいかを考えていきましょう。
アニメに動きを与え、キャラクターに命を吹き込む「動画マン」は、レイアウトや原画といったアニメの制作工程の要所を見られる立場にあります。さらに多彩な画風や個性豊かなキャラクター造形など、作品ごとに異なる特色を学べる点からも、動画マンとしての経験を積めば積むほどアニメへの知識が深まるメリットがあります。
新人アニメーターの登竜門である動画マンにはこうした特長がありますが、最近は実力を問わず数年のキャリアを積んだあとに動画マンから原画マンに昇格するアニメ制作会社もありますし、1~3年、長い場合は10年以上動画マンとして活躍する人もいます。さらに最近は、いきなり1年目から原画を任されるケースも増えてきています。このように勤め先などによって、仕事内容やキャリアアップの方法は異なりますが、職人的な意味合いが強いアニメーターにとっての重要なバロメータは「どれだけ多く描いたか」であり、それだけ「動画マン」の仕事がとても大切なポジションであることがわかります。
そこで、自分がアニメーターとしてデビューしたときにどんな仕事を任されるのかが気になる人は、志望企業先で働く先輩アニメーターに仕事の進め方や報酬はもちろん、原画マン、作画監督、演出家、監督へのキャリアアップについて確認しておきましょう。アニメ制作の最前線で活躍する先輩に話を聞いておけば、アニメーターとしてデビューしたあとの仕事内容のイメージを具体的につかむことができますし、何より、ミスマッチを最小限におさえることが可能になります。

取材協力

ふくだのりゆき/アニメーター、アニメ演出(スタジオあなろぐ所属)

1987年4月本橋秀之氏に師事してアニメーターになる。1999年8月マッドハウスに活動の拠点置き「はじめの一歩」等の作品に携わる。2008年頃からアニメーター新人支援にシフトする活動開始、現在に至る。2020年に向けて新作準備中。

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