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ジャーナリストは新聞社や週刊誌の編集部、ネットメディアの編集部などさまざまな職場がありますが、どこの職場でも入社後すぐに取材に行くことが多いようです。それぞれの職種別にジャーナリストの1年めの過ごし方について、現役のジャーナリストに聞きました。
新聞記者の1年め
新聞記者は入社後にまず地方に配属されます。地方支局社で事件、事故から経済、行政、文化、スポーツなどあらゆるニュースの取材と執筆をして経験を積んでいきます。私は赴任3日めで最初の記事を書きました。
新聞社のなかには1年めに東京本社の社会部でなるべく多くの事件や事故を経験させ、取材や執筆の基本的な力をつけさせてから地方に配属される場合もあります。
記事の書き方のマニュアルはありますが、最初は記事の書き方がわからないことも多いです。とにかく書いては支局長に見せてチェックしてもらう、という作業を繰り返しました。
1年めで1番苦労したのは、取材相手と信頼関係を築くことです。信頼関係がきちんと築けていないと、取材しても何も答えてくれませんから。最初のころはまだ信頼や実績がないので、人の心をどうつかんで本音を引き出すかが大事です。ジャーナリストは“人たらし”でなくてはならないんです。
放送記者の1年め
放送記者は基本的に本社報道局の社会部などに配属され、事件や事故の現場取材の経験を積み重ねていきます。テレビ局の場合は、1年めから「首相番」と呼ばれる、総理担当の記者を任される場合もあります。
週刊誌記者の1年め
週刊誌記者は週刊誌の編集部に配属されます。最初は取材の手伝いや下調べなどからスタートし、徐々に先輩記者と取材に行くようになったり、記事の執筆をまかされたりするようになります。事実関係確認のためにコメントや証言を集めることも多いです。
ネット記者の1年め
ネットメディアは会社によって任される仕事が異なりますが、最初は取材の手伝いをしながら取材や編集、校正の経験を積んでいくことが多いです。ネットメディアではアプリやゲームなどのサブカルチャーもよく取り上げられます。
若者文化については、50代~60代のベテラン記者よりも少し前まで大学生だった1年めの記者のほうが詳しくおもしろい記事になりやすいので、取材を任せてもらえる場合も多いです。ネットメディアはほかのメディアよりも比較的若者が活躍できると言われています。
フリーランスの1年め
新聞社や放送局で経験を積んだ後、独立する人が多いです。最近は新卒でフリーランスになる方もたまにいます。名乗るだけならば誰でもジャーナリストと名乗れますが、フリーランスが仕事をもらうには実績や成果物を問われます。実績がないとなかなか信用してもらえず、仕事をもらうのに苦労すると思います。誰にも負けないような得意分野をもっていないと、いきなりフリーで活躍するのは難しいかもしれません。
阪 清和(さか きよかず)
共同通信社で30年近く記者活動後、2013年に独立。フリーランスのエンタメ批評家・インタビュアー・ライター・MCとして映画・演劇・ドラマ・音楽・漫画の各分野に関する批評やニュース、レポート記事、コラム、エッセイなどをブログ「SEVEN HEARTS」や各種メディアで執筆・ナビゲートしている。