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ジャーナリストはどこの媒体でも、まずは取材と執筆をたくさんこなして経験を積んでいきます。しかし、キャリアを積んでいくと、新聞記者であれば編集幹部になったり、放送記者であればニュースの解説委員、週刊誌記者であれば編集長など、媒体によってキャリアステップは少しずつ異なっていきます。現役ジャーナリストにそれぞれのキャリアステップについて聞きました。
新聞記者の場合
キャリアのチャート
新聞記者は5年~10年ほど地方支社の記者として修行を積みます。その後本社の部署に配属になり、20年ほど専門分野の取材や執筆を担当します。40代半ばまでには「デスク」と呼ばれる、記者から提出した原稿をチェックして指示を出す記者のまとめ役にキャリアアップしていきます。
私は記者として取材や執筆もしながらデスクの仕事もしていましたが、一般的には記者が終わったらデスクに昇進します。さらにそのあとは部次長、部長、地方の支局長などにキャリアアップしていく人もいます。ほかにも、原稿の最終関門のような立場である「整理部」で記者の原稿をチェックする立場になる人や、編集委員、論説委員、関連会社への出向など、新聞記者のキャリアアップの方向は多岐にわたります。新聞記者として経験を積んでから、大手のネットメディアに転職する人もいます。
放送記者の場合
放送記者の場合は、それぞれのキャップと呼ばれる最高責任者になっていきます。官邸担当なら5人、警視庁担当なら10人ほどいる記者のまとめ役です。その後は経営幹部や管理職に進む場合もあります。
ほかには集まってきたニュースの重要度を決めるニュースデスクや、報道局の局次長、局長になる人もいます。地方の放送局の社長や、テレビのニュース番組に出演するニュースの解説委員になる場合も少なくないです。ニュースの解説委員は、軍事や医療など専門分野をもっていることが多いです。
週刊誌記者の場合
週刊誌記者はとにかくスクープを探したり、世間の話題になるような良い記事を書いたりして経験を積んでいきます。その後、編集長を補佐したり編集部員を取りまとめたりといった副編集長や編集長にキャリアアップしていきます。さらにステップアップしていくと、複数の雑誌の統括をする統括編集長になる人、独立してフリーランスになる人などがいます。週刊誌だけではなく、文芸誌など複数の雑誌の編集部をわたり歩く人もいます。
ネット記者の場合
ネットメディアはまだまだ組織があまりできあがってないところが多いです。ネットメディアは10年経ったら長いと呼ばれるほど、歴史が浅い業界なのです。そのためにキャリアステップは社によって大きく異なる可能性もありますが、記者として取材や執筆の経験を積み、編集デスクや編集長とキャリアアップしていくことが考えられます。
フリーランスの場合
フリーランスの場合も今までの経験や目指したい方向性によってキャリアステップは人それぞれ異なります。さまざまな編集部で経験や実績を積んでいくことが大事だと思います。独自のテーマを見つけ、本を出版して知名度を上げていく人もいます。
阪 清和(さか きよかず)
共同通信社で30年近く記者活動後、2013年に独立。フリーランスのエンタメ批評家・インタビュアー・ライター・MCとして映画・演劇・ドラマ・音楽・漫画の各分野に関する批評やニュース、レポート記事、コラム、エッセイなどをブログ「SEVEN HEARTS」や各種メディアで執筆・ナビゲートしている。