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今回話を聞いたのは
ライターの高橋実帆子さん
高橋実帆子さんのプロフィール
フリーランスライター/エディター。1980年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、通信社記者を経て、2012年からフリーランスとして活動。女性向けWebメディアの編集長を経て、企業HPのコンテンツ制作、SNS運用支援などに携わる。経営者・役員インタビュー、社内報執筆、経済系書籍のライティング、日本文化に関する記事など執筆多数。(取材協力・監修/2020年8月31日更新)
ライターになるには
ライターの働き方は、「編集プロダクションなどの組織に所属し、ライター職として働く」「組織に属さず、フリーランスのライターとして働く」と大きく2つに分類できます。フリーランスのライターとして働くにはそれなりの実績や業界とのパイプが必要になるため、新卒でライターを目指す場合は「ライター職を募集している会社に入社すること」がひとつの方法になります。ライター職を募集する会社は、編集プロダクションや制作会社がメイン。ただし、新卒採用を行っているところもあれば、経験者を対象にした中途採用しか行わないところもあるなど、採用スタイルは会社によってさまざまです。学歴不問という会社もありますが、「4年制大学の卒業者(見込者)」など条件を設定している会社もありますので、チャンスを広げるためには、高校卒業後に大学進学をするのがベターだと言えます。
ライターの学校の選び方
編集プロダクションや制作会社では採用時に学歴を問わないこともありますが、会社によっては「4年制大学卒・短大卒」と条件を提示している場合もあります。そのため、4年制大学や短大への進学は、のちの可能性を広げることに繋がると言えるでしょう。また、マスコミ・出版系の専門学校の中には、ライターを目指せるコースもあります。文章の書き方のコツなどをプロから実践的に学ぶことができるため、「絶対にライターになりたい!」と決意し、テクニックを磨きたいという人に適した進学先です。
ライターに求められる人物は?適性を知る
ライターの仕事の柱は、「取材」と「原稿執筆=ライティング」です。取材では取材対象者から自分が知りたい情報や本音を引き出す技術が重要になりますし、相手を不快にさせない言葉遣いやマナー、さまざまな話題に対応できる一般常識や教養も必要です。また、原稿執筆においては、文章を書くことを楽しめるかどうかという適性がまずは問われます。人とコミュニケーションをとる機会が想像以上に多い仕事ですので、人付き合いが苦にならないかどうかもライターの向き不向きに繋がるでしょう。
ライターの必要な試験と資格は?
ライターになるために必要な資格や免許はありません。編集プロダクションや制作会社がそれぞれ実施する「入社試験」を突破して組織で働くライターになるか、フリーランスのライターになるかの2つの道がありますが、いずれも満たさなくてはならない条件が厳しく定められているわけではないため、多くの人にチャンスが開かれている職種と言えます。他業種と同じように卒業見込者を対象にした新卒採用試験を行う会社もありますが、中小規模の会社では中途採用のみを行っていたり、欠員が出たら採用を行うパターンが多かったりするのがこの業種の特徴です。
ライターを目指せる学校の学費(初年度納入金)
大学・短大
初年度納入金
38万円
~ 188万円
学費(初年度納入金)の分布
学部・学科・コース数
専門学校
初年度納入金
70万円
~ 155万
800円
学費(初年度納入金)の分布
学部・学科・コース数
※
記載されている金額は、入学した年に支払う学費(初年度納入金)です。また、その学費(初年度納入金)情報はスタディサプリ進路に掲載されている学費(初年度納入金)を元にしております。卒業までの総額は各学校の公式ホームページをご覧ください。
ライターの仕事内容
出版社や新聞社の編集者、企業の広報・宣伝マーケティング担当者といったクライアント(依頼者)から要望を受けて原稿を執筆し、指定された期日までに納品するのがライターの主な仕事です。内容は、依頼者が指定することがほとんどですが、全体の構成や具体的に何の情報を入れるのかをライター自身が考える場合もあります。お店の取材や、人物インタビューをすることもあれば、資料やWebから情報を集めることもあるなど、執筆に取りかかるまでのフローは案件ごとにさまざまです。いずれにしても大切なのは、「誰に何を伝えるための原稿なのか」を意識し、依頼者の意図を汲み取ったうえで、わかりやすく的確な文章で表現することです。自分が書きたいことだけを書くのではなく、クライアントや取材相手が伝えたいと思っていることを“言語化”し、“読者に届ける”のがライターに求められる役割です。そのため、物事を客観的に見つめる視点が重要になる仕事と言えます。
ライターの気になる?年収・給料・収入
編集プロダクションなど、組織に所属するライターの場合、報酬は基本給に各種手当がつく月給制です。基本給や手当の額は会社ごとに異なりますが、大手派遣会社の求人広告部門など、規模や売り上げが大きい会社の方が、基本給の水準が高くなる傾向があるようです。月給には残業代があらかじめ含まれているケースも多く、「勤務時間が長くなりがちなわりに収入が少ない」という声も聞かれますが、最近は出版不況のあおりで原稿に対して支払われる対価(原稿料)が下がっていることもあり、ライターの給与水準を上げることは業界全体としてなかなか難しいと言わざるを得ない状況です。とはいえ、経験とともに同時にこなせる案件の数が増えたり、制作物のクオリティーが上がったりすれば昇給の対象になることがありますし、フリーランスのライターとして独立し自分で仕事量や内容をコントロールできるようになることでも、さらなる収入アップを目指すことが可能です。
ライターの就職先・活躍できる場所は?
ライターという肩書の人が働いている職場は、編集プロダクションや制作会社などが代表的です。出版社では自社でライターを抱えていることが少ないため、出版社の編集者が本や雑誌の制作を委託している外部の編集プロダクションや制作会社にライティングも依頼することがその理由です。そのほか、出版社・編集プロダクション・制作会社で編集者やライターとしての経験を積んだ後に独立し、フリーランスのライターとして活躍する人もいます。比率でいくと、フリーランスのライターとして働く人の方が多い印象です。
- 出版関連制作プロダクション
- 出版社
- 新聞社
ライターのズバリ!将来性は?
かつては本や雑誌などの紙媒体を中心に活躍していたライターですが、インターネットの普及により、その仕事内容や働き方も変化しています。まず挙げられるのが、Webのニュースサイトや情報サイト、メールマガジンなどの原稿ライティングに特化した「Webライター」が急増していること。その理由としては、Web媒体のニーズが紙媒体を追い抜くほどに高まっている点と、ライターとしてデビューする際のハードルが低いという点の2つがあります。専門職としてのイメージが強いライターですが、紙からWebへ情報の重心がシフトし、SNSやブログを通して “自分の文章を世の中に発表すること”が当たり前になった現在では、「誰でも気軽にはじめやすい」「副業としても取り入れやすい」といったイメージが浸透しはじめています。しかし、ライターには「正確な情報をわかりやすく読者に届ける」という使命があり、それは決して簡単なことではありません。きちんと役割を理解し、責任感と誇りと技術をもって仕事に取り組む人でなければ、「また仕事を頼みたい」と感じてもらい、ライターの仕事を長く続けることは難しいでしょう。クオリティーの高い仕事が次の仕事の依頼や収入に繋がるだけに、いい加減な気もちや姿勢では、ライター一本で生活していくことのできるプロにはなれないと言えます。
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ライターを目指す学生に聞いてみよう
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ライターのやりがいを聞いてみよう
自分が書いた文章が世に出て、多くの読者の目に触れることは、ライターの一番のよろこびです。また、その文章が誰かの心を動かし、「感動した」「気づきをもらった」「行動のきっかけになった」という反応をもらえたら、ライター冥利に尽きます。また、クライアントから「期待以上の仕上がりだった」「またあなたにお願いしたい」と言葉をかけられることも、職業人として非常にうれしい瞬間です。時間と心を込めて執筆し、自分でも満足のいく出来と言える原稿が誰かに高く評価されること。多くのライターがそれをモチベーションに、日々実力を磨き、仕事に取り組んでいます。
ライターの志望動機を教えて!
「文章を書くことが好きだから、好きなことを仕事にしたい」とライターを志望する人もいれば、自分の専門分野について実践や知識を深める中で、「役立つ情報を広く伝えたい」とライターの仕事を選ぶ人もいます。「文章を書く」という行為を日常的に楽しんでいた人が、自分の好きなことの延長上でライターという職業を目指すことも多いようです。また、好奇心旺盛な人にとっては、「自分が知らない世界をたくさんのぞけること」「人に会って、いろいろな話を聞かせてもらえること」もライターという仕事ならではの魅力だと感じているそうです。
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