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絵本作家は絵本を作り出す職業です。つまり、絵本あるところに絵本作家ありと言えます。それでは、そもそも絵本はどのような経緯で誕生したのでしょうか。絵本作家という仕事を知るために、絵本の歴史と合わせて現在に至るまでの大まかな流れを見ていきます。
本格的な絵本は月刊絵本『こどものとも』から拡大
一説によると、平安時代の絵巻物は絵本の一種で、日本における絵本の原型といわれていて、静止画でありながら動いているように感じる、時間と空間の動きが感じられるという、絵本やマンガに共通する特徴があります。もともとそういう文化があったので、絵本などが発達したのではないかと、ある絵本作家は言います。
ただし、絵巻物は現在のように子ども向けの童話ではありませんでした。
室町時代になると「奈良絵本」という冊子タイプのものが登場しますが、一般の人が読む機会はなかったようです。
その後、江戸時代には絵入りの娯楽本である「草双紙」が誕生し、その中でも「赤本」とよばれるものが、子ども向け絵本のはじまりともいわれています。明治時代になると、ヨーロッパやアメリカの絵本が入ってきて現在のような形の絵本が登場し、本格的な子ども向けの絵本も数多く刊行され、日本で最初の創作児童文学作品とされている『こがね丸』も登場しました。
さらに時代が進み、1936年には講談社からおとぎ話や偉人伝、科学などのジャンルを扱った子ども向けの絵本が発売され、絵本がより身近なものとなりました。そして1956年、福音館書店が月刊絵本『こどものとも』を創刊したのをきっかけに、現在のような本格的な絵本が次々と誕生したとされています。
現在は絵本というもののあり方が多様化
絵本が注目を集めたのは、夜寝るときなどに、親が自分も聞き継いできたような日本の昔話・民話を子どもに聞かせていた文化が、子ども向けの絵本の登場により、だんだんと絵本を読み聞かせる文化に変わっていったからではないかと考えられています。
その中で、欧米の童話を紹介した絵本が出版されたり、子どもの視点に立った絵本が数多く誕生したりしたことで、絵本が子どもたちの興味を引いたことも大きな理由の一つといわれています。
こうした背景を踏まえて、熱い想いをもった絵本作家が数多く登場し、現在まで知られるようないくつもの絵本が出版されていきました。もちろん近年も数多くの絵本作家が登場していますが、実は時代の変化とともに絵本に求められる役割も変わりつつあるようです。
絵本というと日本では子ども向けのものというイメージが強いかもしれませんが、1990年代あたりを境に、子ども向けだけではなく大人も感動させるような、作家性の強い絵本がそれまで以上に増えてきました。例えば、荒井良二さんや酒井駒子さんなどが有名です。
近年では、絵本へのニーズはさらに多様化していて、子どもの人口が少なくなっている現状もあってか、アートを前面に押し出したような絵本が出版されたり、大人向けの絵本イベントも数多く開催されたりしています。
また、絵本に関する知識や技能、感性などを備えた専門家「絵本専門士」という、いわゆる“絵本のプロフェッショナル”を指す資格も出てくるなど、絵本を取り巻く状況は日々、進化しているようです。
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