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絵本作家として活躍するためには、おもしろい絵本を作ることが第一で、難しい資格や試験は特にありません。必要なのは、絵を描くこととストーリーづくりという2つの能力です。そのためには、高校時代からできる範囲で、どのような取り組みをしておくのがいいのでしょうか。
絵本の内容を自分なりに分析する
ある絵本作家の話によると、実は絵本作家を目指すに当たっては高校時代からできることがいろいろあります。特に、絵本の内容や構造を分析しておくことがおすすめの取り組みの一つだそうです
今回、話を聞いた絵本作家も実践していた「絵本の勉強方法」を、ここでは紹介します。
一つは、自分の好きな絵本で構わないので、10冊ぐらいを読み込み、その内容を徹底的に分析していく、というものです。
具体的には、絵本のページを一度ラフにまで戻す作業を行います。ノートに絵本の物語を構成している文字を写すほか、イラストを雰囲気で問題ないので写していき、それを基に「これはなんでこうなっているのか」「どうしてここでおもしろいのか」「文章はここからこうつながっていくのか」といった、絵本の構成や構造を分析するのです。
分析作業を積み重ねていく中で絵本の構造や、絵本作家の考え方を学ぶことができます。この勉強方法は一度試してみる価値はありそうです。
絵本を声に出して読むことで絵本のリズムをつかむ
もう一つには、絵本を読むとき、声を出して読むこともいいようです。声に出して読むことでリズムがつかめるほか、子どもの感性に近づくという面で重要な「体で考える」ということを、実感できるのも大きいと話を聞いた絵本作家は言います。
読む冊数は多ければ多いほどいいそうです。分析作業は難しそうという人でも、声を出して読むことなら簡単に取り組め、役に立つことも多いそうなので、実践してみるといいでしょう。
人生経験を積むことや子どもの発想が貴重なアイデアの源泉に
絵本作家としてデビューする年齢は人それぞれですが、ある絵本作家の話によると、業界全体では30歳以上の人が多い傾向にあるようです。
例えばマンガ家などは若い人が数多くデビューしているイメージがありますが、絵本作家がそうではない理由として、絵本の内容にははやり廃りが少ない分、ある程度の人生経験や社会経験が作品づくりに役立つ、ということが理由と言えるかもしれません。
また絵本作家は、デビューしても売れはじめるまで時間がかかるケースが多く、絵本作家だけの収入で生活していくのは厳しい面もあります。
そのためデビュー前から変わらずに兼業している絵本作家は多いです。ただ、ほかの仕事をしながらワークショップに通ったり、自分で展覧会を開催したりしながらデビューの道筋を模索するという経験が、ストーリーづくりに役立ってくることも多いそうです。
そして、なにより大事なのは、絵本のメイン読者である子どもの発想を忘れない、ということ。その発想を磨いていくには、頭の片隅でもいいので日常の中でおもしろいものをみつける努力が大切で、何か思いついたらすぐメモすることを習慣づけておくといいようです。
取材協力先 加藤 志異
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