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アナウンサーとして、楽しいことやうれしいこと、また、苦労したことや大変なことにはどのようなことがあるでしょうか。所属した地域や局によってもさまざまな違いがありますが、ここでは、あるアナウンサーの体験に基づいた個人的な想いを含めて紹介します。
アンカーとしてバトンを受け取る楽しさ
アナウンサーの仕事はアメリカでは、アンカーと言われます。リレーでいうアンカーと同じ意味です。ニュースや報道番組は、ディレクターやカメラマン、編成などたくさんの人と協力して日数をかけて制作されます。最後にアンカーとしてアナウンサーがバトンを受け取り、ニュースを読んだり中継を行ったりします。そうして、良い番組ができ上がったときはとてもやりがいを感じるとともに、大きな達成感があるそうです。
また、アナウンサーの仕事では普段は行かれないところに出かけ、話す機会がない人に会えることが多くあります。例えば、北海道の室蘭では、ロケでサケ漁の漁船に乗せてもらったことがありました。冬の北海道ですから寒く、船酔いもしたそうですが、普通は見られないものを見ることができ、漁師さんと触れ合って貴重な経験ができたと言います。映画を紹介するコーナーを担当していたときは、有名な監督や俳優に会って話をすることができました。違う世界の人と直接話ができることはとても楽しく有意義で、新しい発見がいくつもあったそうです。
また、新しいお店やグルメレポートの仕事では、誰よりも早くおいしいものが食べられたので、個人的にも楽しく、自分の言葉でその魅力を伝えられたのはうれしかったと言います。印象深かったのは、東日本大震災の復興支援をしている人を取材したときでした。リポートした放送を見た人が、後日、支援に協力するために動いてくれたそうです。自分のかかわった番組が影響力をもっていることを感じて、とてもうれしかったそうです。
体力・知力が必要とされる大変な仕事
フリーでアナウンサーをする場合、早番や遅番などのシフト勤務があり、勤務時間は常に不規則です。そのため、体調管理には気をつかいます。番組を担当していると休むわけにはいかないからです。また、厳しい寒さの中でカメラの前に立つことや、炎天下で取材をすることもあります。アナウンサーは気候に左右されず健康でいられる体力が必要であり、また責任も重い仕事だと言えるでしょう。ただ、プレッシャーはあるものの、その分充実していると感じることは多いそうです。
仕事でロケに行き、大変な思いをして撮影をしても、10のうち2ぐらいしか使われないこともよくあります。1日かけてロケをしても放送されたのはたったの3分ということも。しかたのないことだとはいえ、自分も頑張っただけでなく、せっかく取材に応じてくれた方々に申し訳なく、「個人的にはちょっとつらい」と思うこともあるそうです。
さらに、取材先については下調べが必要です。さまざまなことを予想して、勉強をしていっても実際に役立つのはほんの少しということもあります。特に、ゲストを呼んでトークをする場合は、話がさまざまなジャンルにわたることを考え、広い範囲にわたって下調べをします。アナウンサーは、体力・知力が必要とされる大変な仕事だと言えるでしょう。
取材協力先 岸田彩加
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