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アナウンサーと似ている仕事として、キャスター、ナレーター、アンカー、リポーターなどの呼び方があります。国によっても違いがあるようですが、これらの呼び方の職種はいったい何が違うのでしょうか。それぞれの仕事の違いについて具体的に説明しましょう。
アメリカにはアナウンサーという職業はない
日本では一般的に「アナウンサー」「キャスター」という言葉が使われていますが、アメリカではアナウンサーという職業やキャスターという言葉はなく、「女子アナ」という概念もありません。番組の中心となって記者の原稿を最終的にまとめるという意味から「アンカー」と呼ばれ、男女とも年齢に関係なく個性や能力を重視されて登用されます。アンカーは英語にするとanchor=船の錨(いかり)です。ニュースを掘り下げてわかりやすく説明する、という役割から大黒柱をも意味し、正確にはanchorperson(アンカーパーソン)と呼ばれます。アメリカのアンカーパーソンはニュース番組の総合司会者であり、特に3大ネットワークのアンカーパーソンは選挙にも影響する発言力をもつと言われます。3大ネットワークとはABC、NBC、CBSを指します。
日本におけるキャスターは、解説を交えてニュースを読み、番組の司会進行役を務める人を指します。ニュースを分析して説明することから、ジャーナリストとしての能力も求められます。報道番組を担当し解説する人、ということになるでしょう。そのため、気象予報士が天気予報を伝える場合、お天気について解説をするのでお天気キャスターと呼ばるのです。経済問題や政治部門などの記者出身でキャスターとしてテレビに出演する人も多く存在します。
ナレーターは言葉どおり、番組やCM、映画などでナレーションをする人ですが、近年は声優、俳優、アナウンサーなど、さまざまな職業の人が行っている仕事です。ナレーター専門の人もいますが、ナレーションはアナウンサーの仕事の一つです。ナレーターとアナウンサーの違いとして一番大きいのは、テレビ画面に顔を出すか出さないか、と言えるかもしれません。
リポーターはある一定の事件や事柄について取材を行い、現場から直接リポートを届ける人です。アナウンサーも取材に出かけて現地でリポートをすることがあり、リポーターもアナウンサーの仕事の一つです。リポーターとの違いを挙げるとすると、アナウンサーは基本的にスタジオでニュース原稿を読むほうが多い、ということになるでしょう。
日本のアナウンサーはニュース原稿を読むことはもちろん、イベントでの司会、情報番組やバラエティーに加え、スポーツ中継なども行うため、しゃべることを仕事としている人として仕事内容の幅が一番広いようです。
ただ、アナウンサー、キャスター、リポーターの役割や肩書の考え方は、テレビ局や番組によっても違うようです。あるNHKアナウンサーの場合、地方支局での肩書は「キャスター、リポーター」で、札幌での民放のテレビ局の場合は「アナウンサー」でした。現在はフリーアナウンサーとして東京の事務所に所属していますが、担当しているのがニュース番組のため、肩書は「キャスター」になります。違う番組では、リポーターの仕事やアナウンサーとして仕事を進めることもあるので、呼称によって仕事が厳密に決まっているわけではなく、その場によって使い分けると考えたほうが良いのかもしれません。
取材協力先 岸田彩加
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