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電車運転士の1日のスケジュール

電車運転士の1日のスケジュール

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電車運転士の1日の勤務形態は各鉄道会社により異なります。ただ、基本的に「泊早番(とまりはやばん)」「日勤(にっきん)」「泊遅番(とまりおそばん)」があります。「泊早番」は始発電車の対応、「泊遅番」は終電の対応がメインとなります。仮眠を挟む24時間の勤務を行い、2日間の連休となることが多いようです。1日の流れを見ていきましょう。

「非番」は電車の電源を入れ、始発電車をスタートさせる

「非番」は電車の電源を入れ、始発電車をスタートさせる

電車運転士の勤務形態は不規則なシフト制です。基本的には、以下のような仮眠を含む24時間勤務を行ったあと2日間の休みというサイクルでのシフトが多いです。
【1日め】泊早番  12:00~22:00
↓(仮眠 22:30~4:30)
【2日め】非 番  5:00~11:00

【3日め】休み

【4日め】休み

【5日め】泊遅番  16:00~1:00
↓(仮眠 1:30~6:30)
【6日め】非 番  7:00~13:00

【7日め】泊早番  11:00~21:00
↓(仮眠 21:30~3:30)
【8日め】非 番  4:00~10:00

【9日め】休み

【10日め】休み
「泊遅番」から「非番」を経て「泊早番」を勤務する1日の流れを見ていきましょう。
16:00 (泊遅番)出勤 決められた区間内を乗務
出勤時間は、最初に自分が担当する列車の到着時間の20分前と定められていますが、私は1時間前に出勤することが多いです。自分が通勤に利用している路線が遅延する可能性もありますが早番や日勤で「通勤で利用している電車の遅延で遅刻しました」ということは電車運転士には許されません。鉄道会社は時間に厳しく、1秒でも遅れたら遅刻とみなされます。
出勤したら身だしなみチェックを行います。制服を正しく着用しているかなども確認します。
その後、アルコール検査をします。飲酒しないことはもちろんですが、アルコール入りのお菓子を口にしてしまった場合や、栄養ドリンク・うがい薬などを使用した場合も成分により反応してしまう場合もあるので注意が必要です。アルコール検査では数値は「0」でなければいけません。0.01でも反応があればその日は帰宅を命じられてしまいます。
続いて、その日の指示事項や注意事項を運転士手帳に記入します。周辺地域のイベントの状況だけでなく、その日に運行するラッピング列車があれば、何時何分にその駅に到着するのかなども乗客から聞かれたときにすぐに答えられるようにメモします。
その後、担当する行路の出入庫の番線・編成番号などを確認し、駅員・乗務員などの出勤点呼を行います。
1:30~6:30 仮眠
7:00~ (非番)
11:00 (泊早番)出勤 決められた区間内を乗務
21:30~ 仮眠
4:00~  (非番)
電車の電源を入れる
「泊早番」は始発担当のため、電車の電源を入れます。電車の電源を入れるには複数のスイッチがあり、すべて入れる順番が決まっています。もし少しでも順番を間違えてしまうと故障してしまいます。さらに、空調のチェック、ライト・汽笛・行き先表示・ブレーキ・加速・床下点検など朝のチェック項目はかなり多いです。
4:15 乗務開始
乗務開始後はひたすら区間内の列車に乗務し続けます。60分~90分程度で休憩を取ります。区間の端から端までを乗務したタイミングで休憩となりますので、各駅停車の列車に乗務していた場合と、急行列車に乗務していた場合とでは休憩に入るタイミングは当然異なります。
10:00 乗務終了
次の日の始発列車を担当する「泊早番」勤務は「早番」のあとにセットで入ります。その場合には宿泊道具の準備を行い、「泊早番」勤務に備え、22:00~3:00まで仮眠を取ります。

「泊遅番」は終電の対応後、電車の電源を落とす

「泊遅番」の1日の流れを見ていきましょう。
15:00 出勤
15:20 乗務開始
終電が到着 乗務終了
「泊遅番」では終電の対応を行うとともに、列車の電源を落とす必要があります。電源を落とす順番は、始発で列車の電源を入れるときの逆の順番です。電源を落とす際も順番を間違えると故障の原因となりますので注意が必要です。
2:00 仮眠
6:00からの非番に備え仮眠を取ります。
電車運転士は不規則なシフトのため、決まった睡眠時間を確保することは特に気をつけています。布団に入ってからすぐに寝つくことができるように、寝る前にはスマホをいじらない、シャワーを浴びたあとにはすぐに寝るなど意識しています。

2024年9月更新
取材協力

井上 直樹(電車運転士)

1984年愛媛県松山市出身。専門学校卒業後、駅員として都内の鉄道会社に入社。甲種電気車運転免許を取得し、運転士を10年勤める。人事異動で駅員に戻り、現在駅長としても勤務している。また鉄道会社に勤務する人たちと共に勉強会を開催している。

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