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航海士になるには、国土交通省所轄の海技士(航海)国家試験の合格が必須です。試験は年に4回、北海道から九州まで10カ所の地方運輸局などで実施されます。海技士(航海)の資格には最上級の1級~6級まであり、試験はそれぞれの級ごとに行われます。資格に応じた一定の年齢に達していること、一定の乗船履歴があることが受験資格になっており、実習の乗船が乗船履歴になる船舶職員養成のための教育機関で学び、受験するのが一般的です。
試験内容
海技士(航海)国家試験の内容は1~6級ともに年4回、筆記試験と口述試験(質疑応答・面接)からなる学科試験と身体検査で行われます。筆記試験・口述試験ではどちらも問われる内容は同じ項目からで、計測機器・船舶知識(動力・設備・構造など)・気象知識・緊急時に関する理解度が試されます。
身体検査は各眼の視力が0.5以上(矯正可)、5m離れた話し声が聞き取れる聴力があること、職務に支障をきたす色覚異常がないことなどが求められます。ただし、筆記試験に合格しないと、口述試験と身体検査は受けられません。
また、船舶職員養成施設として国土交通大臣の登録を受けた教育機関の課程を修了すると、その学校の種類に応じて筆記試験が免除されます。
級に関して
上位の資格である2級受験には3級取得、1級受験には2級取得が必要な条件で、求められる乗船履歴もそれぞれに必要になります。
船長を務めるには1級海技士(航海)、一等航海士には2級海技士(航海)、二等航海士には3級海技士(航海)、三等航海士には4級海技士(航海)資格が必要です。
基本的には下の級からひとつずつ上の級を目指してステップアップしていきますが、船舶職員を養成するための教育機関で所定の課程を終えれば3級や4級の受験資格を得ることができます。
合格率
試験内容の項目はすべての級で共通でも、級が上がるにつれて難易度は増します。平成26年度(2014年度)の海技士(航海)の合格率は、1級22%、2級18.4%、3級51.2%、4級78%、5級73.5%、6級68.8%で、1級、2級はかなりの難関となっています(平成26年度海技士国家試験実施状況)。
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