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安全な航海のために従事する大きな責任や危険を伴う仕事だけに、航海士の給料は他の職業に比べて高く設定されていることが多いようです。海上勤務と陸上勤務を繰り返すのが基本ですが、海上勤務の場合は乗船手当などの諸手当が付与されるため、陸上勤務の期間よりも高い給料が支払われます。
また長期間、閉ざされた船舶内で過ごす海上勤務中は、お金の使い道もないため、陸上に戻った際に多額の浪費をしなければ、お金を貯めやすい職業だとも言われています。
海運会社
ある大手海運会社で見ると、平成27年(2015年)4月現在実績の初任給で、月額22万1800円となっています。乗船して働いた場合は、この額に乗船手当などの諸手当が付与されます。勤務年数や所有する海技士資格が上がることにより、給料も上がっていきます。
20代で年収500~600万円、33歳で800~900万円というデータもあります。一等航海士や船長になれば年収1500万円以上も珍しくなく、大型客船の船長などになれば2000~3000万円に達することもあります。
海上保安庁
海上保安庁の船艇職員に採用され、海上保安官として働く場合、研修期間中で月額15万6000円~32万800円、研修終了後は月額19万2900円~36万5300円となっています(平成28年度海上保安庁 船舶職員・無線従事者・航空機職員採用試験 募集案内)。月額に幅があるのは、国家公務員の俸給表が適用されるからです。海上技術学校を卒業し4級海技士免許で勤め始める人と、経験豊富な50歳で2級海技士免許の保持者では、俸給表の適用される級と号の始まりが異なっていることによる違いです。
海上保安庁に勤務する場合の俸給表は、事務的な仕事が主な一般行政職より12%ほど水準の高い「公安職俸給表(二)」が適用され、階級が高くなるほど給与も高くなります。
また、実際の給与には基本となる月額に諸手当が加えられます。例として、海上保安学校を卒業した大型巡視船の士補(海上保安官を補佐する役割。海上保安学校卒業後、勤務するとこの職務に就くことになります)で25歳独身者の場合は月額約24万円。海上保安大学校を卒業した大型巡視船の主任で25歳独身者の場合は月額約26万円となっています(海上保安レポート2013)。
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