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航海士の1日のスケジュール

航海士の1日のスケジュール

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航海士の主な仕事は船の操船です。船は24時間動いているので、安全に走らせるためには絶えず交代で見張りをしなければなりません。当直は4時間ごとに交代となります。また、陸上での仕事もあります。航海士の船の上での一日と、陸上で勤務する場合の一日について見ていきましょう。

一日計8時間の当直サイクル

地上で交通ルールがあるのと同じように、船を安全に走らせるために海上交通でもルールがあり、それを担うのが航海士です。船橋(せんきょう:船の一番上で操船をするのこと。英語ではブリッジという)で見張りをして、ほかの船との見合い関係(向かい合わせになる状況)を見きわめながら船を動かします。
船は24時間絶えず動いているので、必ず誰かが動かし見張りをしなくてはなりません。そのため、航海士は当直制度で交代しながら勤務します。コンテナ船などでの当直は、通常の場合航海士と乗組員の2人組みで、4時間ずつの三交代制。一日に8時間担当します。その時間と担当は次のように決まっています。
・0~4時:二等航海士担当
・4~8時:一等航海士担当
・8~12時:三等航海士担当
・12~16時:二等航海士担当
・16~20時:一等航海士担当
・20~0時:三等航海士担当

海上勤務の日

07:00 
起床。
練習船に乗る実習生の場合は、6時30分にアラームを鳴らして起こします。
07:30 
朝食
08:00
これから4時間は船橋での当直業務担当時間です。当直の場合、時間内は基本的に、海に目を向けていなければなりません。実習生の場合は一班10~20人程度で行うため、見張りとして海を見ている人、操船(ハンドルを実際に握って船を動かすこと)する人、レーダーや海図を見る人がいます。
レーダーでは遠くにいる船までが見え、何時間後にこの船とすれ違うのか、すれ違う時の距離はどのぐらいか、などがわかります。
12:00
昼食
13:00
8時間の当直以外は、書類や機械の整備など、航海士ごとに担当する業務を行います。
例えば三等航海士の場合、トイレの汚物が入るタンクの整備担当などがあります。当直以外の時間を確認や整備作業に充てて、常にチェックをします。
このほかにも、入港作業や緊急作業が入ることもあります。
16:00
自由時間
17:00
夕食
食事後は休憩時間なので、過ごし方は自由です。仮眠する人もいます。
20:00
この日、2度めの船橋での当直業務担当時間です。
基本的に目は海に向けて見張りをしていますが、1時間ごとに海図(海での地図)で進行方向が合っているかの確認も行います。もしずれていると、浅瀬に乗り上げてしまうなどの危険が生じます。航行中はいきなりクジラが出てくることもあります。高速船はスピードが速いのでぶつかることがありますが、通常の速度ではたいていお互いが事前に気づいてよけることができます。まれに大きなゴミが流れてくることがあります。クジラとは違って、船がよけなければぶつかってしまいますから、常に見張ることが重要です。
00:00
就寝
このスケジュールが休みなしに続きます。練習船の場合は3カ月で終了しますが、航海士となると1年のうち9カ月の連続勤務となり、残りの3カ月が休暇となります。(※乗船時期は会社による)

陸上勤務の日

ある航海士は取材当時、8年海上勤務で実習生の教官をしたのち陸上勤務をしていました。勤務時間は9時から17時です。会社で所有している帆船が各地の港から呼ばれるので、関係者と連絡を取ってイベントを開催する広報のような仕事をしています。船の中を公開したり、セイル(帆)を開いて見せたりします。小豆島で、沖に錨を入れている練習船を小学生に見せるという企画では、事前に学校で船に関する授業をしてから船を案内しました。
また、船の中で子どもに配るグッズやカレンダーの作成も行います。
お昼は陸上のランチタイムを楽しむために、外食をしたりお弁当を持っていったりしています。

2025年2月更新
取材協力
我妻 三耶子
東京都出身。小さいころから海が好きで、スキューバダイビングや釣りなどをしてきた。一時期は宇宙飛行士を目指したが、宇宙を知る前に地球を知ろうと思い、地球=海という発想から東京海洋大学へ入学。大学3年生の時、1カ月の船舶実習を履修して初めて船の世界を知り、航海士を目指す。 海技教育機構に就職し、練習船士官として働いている。
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