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航空管制官になるために受験必須となる試験が、人事院が行っている航空管制官採用試験です。航空管制官採用試験では、一般的な国家公務員の試験科目に加えて、英語のヒアリングや読解、英会話、空間把握力、記憶力などの試験も課されます。さらに、視力や色覚、聴力などが業務に直接影響するため、身体的な適性もはかられます。一次試験と二次試験は全国で行われますが、三次試験のみ航空保安大学校のある大阪府泉佐野市で行われます。
航空管制官採用試験とは
航空管制官となるために、まず合格しなければならないのが航空管制官採用試験です。試験は一次試験から三次試験まであり、申し込みから三次試験の合格発表まで半年ほどかかります。この試験に合格した後、航空保安大学校で8カ月の研修を受け、全国の空港や航空交通管制部に配属されることになります。
航空管制官採用試験の受験資格
航空管制官採用試験の受験資格は、「受験年の4月1日時点で21歳以上29歳以下の人」あるいは「受験年の4月1日時点で21歳未満で大学、短大、高等専門学校を卒業した人か受験年度の3月に卒業見込みにある人」のどちらかを満たすことです。この条件さえ満たしていれば、学歴や保有している資格・免許などに関係なく、基本的に誰でも受験できることも、人気の仕事の理由のひとつといえるでしょう。ただし、「日本の国籍を有しない人」「国家公務員法第38条の規定より国家公務員となることができない人」「平成11年改正前の民法の規定による準禁治産の宣言を受けている人」のいずれかに当てはまる場合は、受験できません。
航空管制官採用試験における身体条件
航空管制官は目や耳を使って航空機を誘導するため、航空管制官採用試験では視力・色覚・聴力の測定も行われます。人の命を預かる重大な責任を背負う仕事であるため、そのほかの試験で高得点を取っていたとしても、以下のいずれかに当てはまる場合は不合格になってしまいます。
●矯正眼鏡等の使用の有無を問わず、視力が次のいずれかに該当する人
・どちらか一眼でも0.7に満たない人
・両目で1.0に満たない人
・どちらか一眼でも、80cmの視距離で、近距離視力表(30cm視力用)の0.2の視標を判読できない人
・どちらか一眼でも、30~50cmの視距離で、近距離視力表(30cm視力用)の0.5の視標を判読できない人
●色覚に異常のある人
●片耳でも、次のいずれかの失聴がある人
・3000ヘルツで50デシベル超
・2000ヘルツで35デシベル超
・1000ヘルツで35デシベル超
・500ヘルツで35デシベル超
●その他航空管制業務遂行上支障のある人
ヘルツは数字が大きいほど高い音、デシベルは数字が大きいほど大きな音量を表します。
航空管制官採用試験の日程
2024年度においては2月から3月にかけて受験者の受付が行われ、5月下旬に一次試験、7月上旬に二次試験、8月下旬に三次試験が実施され、10月上旬に最終的な合格発表が行われます。ただし、日程は毎年変更となるため、前年と同じスケジュールになるとは限りません。
航空管制官採用試験の試験内容
一次試験では、一般的な公務員として必要な能力についての基礎能力試験、航空管制官として必要な記憶力・空間把握力についての適性試験Ⅰ部、英語のヒアリングと英文解釈・和文英訳・英文法などについての外国語試験が実施されます。二次試験は、英会話の能力を試す面接形式の外国語試験と人柄や対人的能力を試す個別面接。三次試験は、記憶力・空間把握力を航空管制業務シミュレーションによってはかる適性試験Ⅱ部、胸部疾患や血圧などをみる身体検査、視力・色覚・聴力の身体測定を行います。
航空管制官に必要な資格「英語能力証明試験」
航空管制業務を行うためには、国際民間航空機関(ICAO)が定める基準の英語にかかる能力を有することを証明する「英語能力証明試験」(航空管制官の英語能力のレベルを判定する試験)を定期的に受験し、一定以上の成績を取る必要があります。パイロットとのコミュニケーションのほとんどが英語で行われるため、一定の英語にかかる能力を有し、意思疎通を図らなければならないためです。航空管制官採用試験で問われるのはヒアリング、リーディング、英会話という一般的な英語力ですが、業務を行ううえではより実践的な英語力が求められるため、採用試験に合格した後も英語力を高め続けていく必要があります。
航空管制官に必要な資格「航空無線通信士」
航空管制業務を行うには、航空機などと無線通信を行うために必要な知識・技術を証明する「航空無線通信士」の資格も必須となります。ただし、この資格は航空保安大学校の研修期間中に取得できるため、事前に取得していなくても問題ありません。
航空管制官になるには?
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航空情報科
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