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航空整備士の仕事は、空港に到着した航空機を出発までに点検・整備する「ライン整備」、機体を格納庫に収容して定期点検・整備をする「ドック整備」、機体からエンジンや電装品を取り外して工場などで整備を行う「ショップ整備」に大別されます。
これらの業務を行うためには、航空機の大きさや種類、業務範囲ごとに分かれた国家資格の取得が必要です。
ライン整備
私たちが空港でフライト前に見かけることのある整備士は、飛行前や到着後の機体の点検・整備を行っている人たちです。これらの作業をライン整備といいます。
各空港において区間ごとに行われるこの作業は、限られた時間の中でわずかな異変も見逃さずに点検・整備するための正確さと迅速さが求められます。また、空の上での状況を把握するため、操縦士や客室乗務員から情報収集することも大切な仕事です。
大型機のライン整備は、その機種を扱える資格をもった一等航空整備士や、一等航空運航整備士が行えます(2025年度に、どの型式の機体も扱えるように関係省令が改正される予定)。航空日誌(フライトログ)に確認サインを記せるのは一等航空整備士の主任クラスに限られます。
ドック整備
定時整備または重整備といわれるもので、定められた飛行時間を経過した機体を格納庫に収容して、徹底的に行われる整備作業です。
不具合があれば修理や部品交換などを行い、航空機が安全に運航できるよう、メンテナンスをしていきます。金属疲労を見抜く非破壊検査や機体の再塗装などもこのプロセスで実施されます。
なお、重整備に対応できる施設のない会社では、国外の整備専門会社に委託することもあります。
小型機については二等航空整備士が、大型機は機種ごとの限定資格をもった一等航空整備士が担当します。
ショップ整備
航空機の心臓部ともいえるエンジンや電装部品、油圧系統の関連部品を機体から取り外し、精密チェックを行うのがショップ整備(工場整備)です。
それぞれの部品は分解され徹底的に点検・整備が施されます。多くの人命を預かる装置の取り扱いはとてもデリケートで、次回の整備までに考えられる経年変化をも予測して必要な手立てを打てるなど、各装置のエキスパートとして深い知識と技術力、さらに経験が求められます。
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