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パイロットの必要な試験と資格は?

パイロットの必要な試験と資格は?

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パイロットになるには国土交通大臣の技能証明を受けて、指定の資格を取得する必要があります。代表的な資格として、「事業用操縦士」「自家用操縦士」「定期運送用操縦士」の3つがあり、それぞれ操縦できる範囲などが定められています。エアラインパイロット(航空会社で旅客機を操縦するパイロット)になるには、「定期運送用操縦士」の資格が必要です。取得には飛行訓練が必要なため、航空大学校に入学するのが一般的です。パイロット養成課程のある大学などに進学し、「事業用操縦士」などの免許を取得してから航空会社に就職する方法もあります。

【パイロットに必要な資格①】定期運送用操縦士

エアラインパイロットになるために必要な資格が「定期運送用操縦士」です。基本的な操縦技術を学ぶ「自家用操縦士」や商用目的の操縦について学ぶ「事業用操縦士」の内容を網羅したうえで、さらに2人のパイロットが必要な航空機を操縦するための知識や技術も得ることができ、旅客機の機長になるためには必須の資格です。3種類の資格の中で、最もカバーする範囲が広いといえます。

定期運送用操縦士を取得するには

「定期運送用操縦士」の取得は21歳から可能です。ただし、受験資格として「総飛行時間1500時間以上(回転翼航空機の場合は1000時間以上)」が必要です。飛行時間の中には「100時間以上の野外飛行を含む250時間以上の機長としての飛行」「200時間以上の野外飛行」「50時間以上の夜間飛行」「30時間以上の計器飛行」を含まなければいけません。航空大学校やパイロット養成課程のある学校への進学、自社養成パイロットとしての航空会社への入社によって総飛行時間を達成することはできるでしょう。その後の学科試験と実地試験を受け、それぞれに合格することで資格を取得できます。合格率は非公開となっています。

旅客機では機種ごとに資格が必要

操縦する飛行機による資格の違いもあります。飛行機にはエンジンがひとつしかない単発機と、2つ以上ある多発機があります。定期便で使われる旅客機はすべてエンジンが2つ以上ついているので、多発機の免許が必要です。また、旅客機では機種ごとにそれぞれ資格が必要になります。例えば、ボーイング777を操縦するにはボーイング777の資格、ボーイング737の操縦にはボーイング737の資格が必要になります。

旅客機を操縦するための資格の数々

さらに「計器飛行証明」という資格もあります。パイロットの目視に頼って飛ぶ有視界飛行に対して、計器飛行は地上の管制官に安全を見守られながら飛ぶ方法です。悪天候の中や視界が遮られる雲の中も飛ぶことができます。日本の空を飛ぶ旅客機は原則としてこの計器飛行を行っているので、エアラインパイロットには「計器飛行証明」の資格が求められます。また、無線機やレーダーを操作するための「航空無線通信士」や、機長としてそれぞれの路線を飛ぶための「路線資格」も必要です。

【パイロットに必要な資格②】事業用操縦士

「事業用操縦士」は、事業のために運行する航空機を操縦するために必要な資格です。旅客機の副操縦士や物を航空機で運ぶ仕事、警察や消防、自衛隊などのパイロットとして働く場合に必要な資格です。学習内容には「自家用操縦士」の内容も含みます。

事業用操縦士を取得するには

「事業用操縦士」の取得は18歳から可能です。航空機の種類によって受験資格は異なり、飛行機の場合は「総飛行時間200時間以上」が必要で、その中には「100時間以上の機長としての飛行」「出発地点から540km以上の飛行で、中間において2回以上の生地着陸をするものを含む20時間以上の機長としての野外飛行」「機長としての5回以上の離陸および着陸を含む5時間以上の夜間の飛行」「10時間以上の計器飛行」を含まなければいけません。飛行時間を達成したあと、学科試験と実地試験に合格することで資格を取得できます。

【パイロットに必要な資格③】自家用操縦士

「自家用操縦士」は、個人が航空機を操縦するために必要な資格です。あくまでプライベート用の資格なので、事業として航空機に人や物を乗せて飛ぶことはできません。17歳から取得可能で、「総飛行時間40時間以上」という受験資格が設けられています。

パイロットには英語の資格も求められる

航空管制における国際共通語は英語なので、ICAO(国際民間航空機関)は国際的な英語能力評価基準を策定しています。これをもとに一定以上の英語力を認められたパイロットしか国際線を運航できないといったルールが各国で採用され、日本でも2006年から新しい資格として「航空英語能力証明」が設けられました。日本国内しか飛ばないパイロットであれば必要ありませんが、国際線を運航するためには不可欠です。

航空英語能力証明を取得するには

「航空英語能力証明」の受験の要件は、「定期運送用操縦士、事業用操縦士、自家用操縦士又は准定期運送用操縦士の資格についての技能証明を有する者」とされています。試験は学科試験と実地試験があり、学科試験はリスニングによる筆記試験、実地試験は試験官との英会話試験となっています。学科試験を合格し、実地試験を受験すると、英語能力をレベル1~6で評価されます。レベル4以上を取得すると、国際線への乗務が認められます。また、レベルによって有効期間が異なり、レベル4は3年、レベル5は6年、レベル6は無制限と定められています。レベル4やレベル5の場合は、3年または6年後に再受験しなければいけません。

2024年9月更新

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