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日本語教師の1年目は、学校にもよりますがはじめの3~6か月が研修期間となります。その間に、授業の見学、教案の作成や添削、教え方のチェックがあり、かなり手間と時間をかけるそうです。日本語教師となって最初にすごす1年間の過ごし方について説明しましょう。
1年目は教案・教具づくりに必死
日本語教師として働き始めて、はじめの3~6か月は研修期間となる学校が多いようです。まずは、他の先生がする授業の見学をします。すると、どのように教えているのか、学生たちはどのような態度で理解力はどの程度なのか、また雰囲気などもよくわかります。
次に、教案といって、時系列で授業を進めるための台本のようなものを作成します。自分でおこなう授業に使う教案や教具は自分でつくらなければなりません。作った教案を専任の先生に見せて添削してもらい修正、添削を繰り返します。そのため、たとえ週に2回の授業を担当する場合でも、それ以外の日は毎日教案を作成、添削、修正に追われることになります。
ある日本語教師は、この教案の作成で土日も休みがなく、家族に助けられて何とか間に合ったと話してくれました。本当に時間がなかったため、5歳の子どもに教具を作る際ののりづけを手伝ってもらったほどだったそうです。学校によっては実際の授業の前に模擬授業をしたり、研修期間中は新人を教育する専任の先生が新人日本語教師の授業を見学し、指導したりする場合もあります。
イラストを使った教具もお手製
学校では日本語が話せない人に対して日本語だけで日本語を教えるため(直接法といいます)、教える際に使える日本語の語彙がとても少ないことが教案を作るうえで苦労することの一つです。
特に1年目は初級クラスを担当することが多いため、未習語(習っていない言葉)を使わずに教えることになります。そこで使われるのが、絵が描かれている絵カードや反復練習で使う文字カードという教具です。イラストがあればどんなシチュエーションで使う言葉なのか、何を意味しているのかがわかりやすくなります。学校に用意されているものもありますが、それでは足りないので教案と同じようにお手製になります。イラストを探したり、切ったり貼ったりしなければならず、絵カードや文字カードづくりにもかなりの時間がかかります。
このように教案の作成・添削を経てから、専任の先生が新人の日本語教師の授業を見学して、合格すれば研修は終了し、独り立ちして授業を受けもつことになります。
その後も、授業を進めながら、教案づくりに励むことになりますが、ある程度教案や教具が溜まってくると、同じ教案や教具を使って同じ課を教えることができるので、準備は楽になります。すると6か月目ぐらいから授業数を増やすこともできます。
非常勤講師の場合、給与の対象となるのは授業時間だけです(学校による)。授業を始めるための教案・教具づくりなどの準備期間が無給の場合、かなり負担が大きいようです。ある日本語教師は今後の財産になると思ったことと、何より学生の笑顔のためには頑張れるので、何とか乗り切ったと話してくれました。
ただ、最近は学校も変わってきていて、教案のIT化や教具の共有などで1年目の先生たちの負担を減らす取り組みをしているそうです。
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