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お金は人を幸せにも不幸にもします。そうしたお金を介してお客さまとつながっているのが銀行員です。自分の行動一つでお客さまを幸せにも不幸にもしてしまう仕事です。だからこそ、楽しいことも大変なこともあるのです。
「人のために働ける仕事」だから楽しい
お金はとても慎重な扱いを求められます。普通、自分の銀行口座の残高を他人に見せたいとは思わないでしょう。それと同じで、会社によっては決算書を見せたくないと思っても不思議ではありません。
しかし銀行員は、それを見せてもらい、時には預かって仕事をしています。信頼関係がベースにないとできないのです。その信頼が実感できたときには楽しさを感じます。
例えば、必要なお金の用意や業務の不具合について相談を受けたときなどです。そうしたことに、融資ができたり、便利なしくみを導入する手助けをしたりと、全部ができるわけではありませんが、自分ができることをやってお客さまのプラスになって喜んでもらえたときには、非常に楽しさを感じます。
「自分」を信用してもらえないと仕事ができない
どんなことをするにしても、一人でできることはありません。上司を説得し、組織を動かしていかないとやりたいと思うことを進めることはできません。銀行はとても大きな組織ですから、それを動かすことは大変だと思うことはよくあるそうです。
自分がしたいと思ったことが必ずできるようになるとは限りません。営業を経験した人のほとんどが、お客さまの希望と銀行側の都合の板挟みになる経験をしているそうです。検討の結果、お客さまが希望されているとおりに実行できない場合もあります。例えば、お金を借りたいと依頼されたとしても、今はそのタイミングではないとの結論が出れば、希望に添えないことを伝えなくてはいけません。時にはお客さまに厳しいことを言わないといけないこともあるそうです。それでもお客さまと仕事を続けていけるのは、信用してもらえているからです。普段の仕事から信用を得ているからこそ、厳しい言葉にも耳を傾けていただけるのでしょう。
また、他の銀行と競争になることも多くあります。取引をしてもらうためには違いを示さないといけません。しかし銀行のサービスに大きな差はありません。製造業のように製品の性能の違いを明確に示すようにはいかないのです。ですからここでも、信用を得ているかどうかが大きく問われます。
ではどうすれば信用を得ることができるのでしょうか。それは普段からお客さまのために何ができるか、お客さまのメリットになることでお手伝いできることはないかを考え、実行していくことです。
お客さまはそれぞれ違った事情を抱えていますから、まったく同じアプローチをしていくことをできません。それぞれにあわせたアプローチを考えることはとても大変です。しかしお客さまのためになり喜んでもらえれば、信用を積み上げることができます。
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