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不動産鑑定士になるには、国土交通省が実施する国家試験に合格する必要があります。この試験は2006年度から受験資格が撤廃されており、年齢や学歴に関係なく誰でも受験できます。試験範囲は不動産に関する行政法規や不動産鑑定、民法、経済学、会計学など幅広く、試験対策を開始してから不動産鑑定士として登録するまでに数年を要する難関資格です。このため論文式試験合格後は不動産鑑定事務所や不動産会社、銀行などに就職し、数年の実務修習を経て、不動産鑑定士としての登録を目指すのが一般的です。
不動産鑑定士試験
不動産鑑定士になるには、国土交通省土地鑑定委員会が実施する試験に合格し、実務修習を修了したうえで登録を受ける必要があります。例年、5月中旬に短答式試験(マークシート方式)があり、これに合格すると7月下旬~8月上旬に行われる論文式試験に進むことができます。合格発表は10月中旬に行われます。なお、短答式試験に合格した場合は、以後2年間の短答式試験が免除され、直接、論文式試験を受けることができます。
試験対策
試験範囲は不動産鑑定の理論をはじめ、不動産に関する行政法規、民法、経済学、会計学と幅広いため、大学や短大の建築系学科や土木工学科などに入学すると、不動産鑑定に関する基礎的な知識を学ぶことができます。資格試験に直結する知識を学びたい場合は、不動産鑑定士の仕事に必要な知識をしっかり学べる専門学校、あるいは試験対策のノウハウを蓄積した資格スクールを利用するとよいでしょう。
実務修習
資格試験の合格者は、不動産鑑定士の登録をするために実務修習を修了する必要があります。実務修習は、講義や演習に分かれて実施されるもので、期間は1年・2年・3年コースの中から選択できます。内容は①講義、②基本演習、③実地演習で、各単元の修了後にテストや報告書の作成が実施され、その結果に基づいて単位認定が行われます。実務修習の修了後、さらに不動産鑑定士としての能力が身についたかを確認する「修了考査」に合格すると、不動産鑑定士として登録することができます。なお、実務修習制度の見直しが進んでおり、2017年の実務修習から3年コースは撤廃される見通しになっています。
就職への道のり
実務修習は、日本大学理工学部と明海大学不動産研究センターのほか、全国各地の不動産鑑定士事務所やコンサルティング会社でも受けることができます。後者の場合は、指導鑑定士が在籍する企業で働きながら実務修習を受けるのが一般的です。就職前に学生が企業で働くインターンシップに近い形式で、きちんと給料も出るため、安心して学び、働くことができます。修了考査に合格して不動産鑑定士として登録後もしばらくはその会社で働き、実務経験を積んでから個人事務所を立ち上げる不動産鑑定士もたくさんいます。なお、日本不動産鑑定士協会連合会のホームページには、実地演習を実施している機関、および指導鑑定士の一覧が掲載されています。