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土地家屋調査士をめざす人は、高校時代にどのようなスキルを身につけておけばよいでしょうか。ここでは三角関数、1次方程式、二次方程式といった基礎的な数学を学ぶことの大切さと、どのようなジャンルの法律にアンテナを張っておけばよいかを見ていきます。
高校時代から基礎的な数学をマスターしておこう
法務局の公図(土地の位置や形状を確定するための法的な地図)をもとに、さまざまな形状の土地の登記手続きをおこなう土地家屋調査士は、日常的に関数計算器を使用する頻度が高くなります。現地に赴いた際には、依頼主、地主さん、境界に接する人々(隣接地所有者)に立ち会ってもらい、筆界(その土地の範囲を区画するものとして定められた公的な線)の確定作業をおこなうことが多い職種柄、電卓を使って正確な数字を割り出すスキルが必要とされます。そのため、高校時代から基礎的な数学はきちんとマスターしておきたいもの。
さらに、土地家屋調査士の資格試験は計算問題が多いので、関数電卓の基礎機能を使いこなすスキルも必要です。関数電卓と言うとマクロなどの難しい計算を連想しがちですが、身につけておきたいレベルは三角関数、1次方程式、二次方程式レベルの数学のスキルで大丈夫です。あわせて台形、平行四辺形、ひし形、三角形をはじめ、入り組んだ図形の面積も関数電卓を使って算出できるよう、三角形や平行四辺形の面積を求める方程式、あるいは連立方程式の解き方をマスターしておくと安心です。
自分だけの「民法」「六法全書」を用意しよう
土地家屋調査士は仕事上、私法一般をまとめた民法典の「民法」を開く機会が多いので、自分だけの「マイ民法」を一冊用意しておくと何かと重宝しますし、早い段階から「民法」の知識を蓄えておくと、資格試験にも有利に臨むことができます。
そうはいっても、現行の土地家屋調査士の筆記試験では20問中3問しか「民法」に関連した問題は出ていません。司法書士や行政書士の試験では「民法」に関連した問題が多く出題されますが、土地家屋調査士の試験を受験する人がこの3問のために、普段から「民法」を勉強することはとても大変です。
そのため日頃から「民法」を手元に置き、ニュースなどでトラブルの話題に接したときに、手元の「民法」をパラパラ開いて、効率的な試験対策として、どこにどんなことが書かれているかを少しずつ理解するようにしましょう。「民法」を開く習慣が身につくと、身近で起こったトラブルや問題も、「民法」と照らし合わせながら法律的な視点で考えられる思考力が養われることになります。
また、より高いレベルをめざしたい人は、「六法全書」の中から不動産登記の手続きを定めた「不動産登記法」を切り抜いて、普段から眺める習慣をつけておくと、試験や仕事で役立ちます。加えて、「民法」の第一編「総則」、第二編「物件」、第四編「親族」、第五編「相続」を、時間のあるときに読むようにしておくと、なおよいでしょう。
力石洋平
主に都内の土地家屋調査士事務所にて勤務しながら資格学校に通い調査士試験に合格。 土地家屋調査士登録後、さまざまな土地、建物の測量、登記業務に関わる。資格指導校で講師として、また法務局の筆界調査委員としても活躍している。