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土地家屋調査士の20年後、30年後はどうなる?

土地家屋調査士の20年後、30年後はどうなる?

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土地家屋調査士が担っている業務内容を整理していくと、AIに代用されない価値をどのように発揮しているか、将来的にAIとどのように協業していけるかが見えてきます。さらにここでは、土地家屋調査士の仕事に次々と導入されている新技術についてもご紹介しましょう。

的確な対応力が求められる土地家屋調査士の仕事

土地家屋調査士の仕事は、事務所外でさまざまな人と折衝する「外業」と、事務所内で作業する「内業」に分けられます。
「内業」では、図面を作成するCAD(設計・製図の支援システム)を扱うことが多く、また、日常的に連絡ツールとしてパソコンや電話を使用しています。当然ながら、これらの機器は今後めざましい技術進化を遂げていくことでしょう。 
一方の「外業」では、弁護士、司法書士、行政書士など各分野のエキスパートと連携して仕事を進めることはもちろん、ときには、土地の所有者と隣接地所有者、依頼主の意見のずれによって生じた「境界紛争」をとりまとめなければなりません。そのような場合、土地家屋調査士が先頭に立ち、問題解決力といった“人ならでは”のスキルを生かして解決に導いていくことになります。こうした点からもさまざまな意見を法律と照らし合わせながら着地させる土地家屋調査士は、今後AIが発達したとしてもAIにすぐに取って代わられることができない仕事と言えます。
さらに、これまでは日本人同士でコミュニケーションを取ることが多かった土地家屋調査士の仕事も、最近では土地の所有者や依頼主が外国人であるケースも多くなり、語学力の必要性が高まっています。こうした変化から、これから土地家屋調査士をめざす人は、英語、中国語、韓国語などの語学力を身につけておくと、これからの時代、仕事を円滑に進めるための武器になります。

測量の領域に、次々と導入されている新技術

すでに測量の領域ではさまざまな新技術が導入されています。ここでは、その実例を見ていきましょう。
・GPS自動追尾型トータルステーション
・ドローンによる測量
・3Dスキャナーを活用した製図技術 
一つめの「GPS自動追尾型トータルステーション」は、時間をかけずに自動的に距離や面積をデータ化できる最新機種のこと。このトータルステーションは、点と点で結ばれた距離を自動計測し、その距離をもとに簡単に平面化=図面化できる利点や、広大な土地や田畑などを測量する際に精度の高いデータを収集できる利点から、すでに多くの土地家屋調査士が活用しています。
次の「ドローンによる測量」は、同じく山林や畑を測量する際などに、ドローンにカメラを搭載して航空写真を撮り、その画像を公図にあてはめて立ち会いの資料にするといった活用方法があります。効率的に境界を定められる利点から、こちらも多くの土地家屋調査士が活用しています。
最後の「3Dスキャナー」は、例えば、数十メートルにおよぶ並木道を図面化するときなどに活用されます。これまでは一点一点器械で測量をおこなっていましたが、3Dスキャナーを使用すると、ワンクリックで歩道、マンホールなどの距離が三次元で計測でき、目では確認できない歩道の傾斜のデータも入手可できる利点から、すでに大手測量会社で導入されています。
これらの新技術を知ると、「測量技術は、将来的にAIにとって代わられるのではないか」と思われがちです。でも、河川、道路などの大規模な測量では、AI搭載の新技術が活用されると想定されているものの、それはあくまで少しの誤差があっても後工程で調整できる大規模測量に限られたもの。つまり、個人の大切な財産である不動産を表す緻密な精度の測量は、土地家屋調査士の優れた技術に頼る部分が大きいので、今後もしばらくはAIに代わってしまうことはないと考えてよいでしょう。

取材協力

力石洋平

主に都内の土地家屋調査士事務所にて勤務しながら資格学校に通い調査士試験に合格。 土地家屋調査士登録後、さまざまな土地、建物の測量、登記業務に関わる。資格指導校で講師として、また法務局の筆界調査委員としても活躍している。

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