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土地家屋調査士の資格を取得した人が、晴れて土地家屋調査士としてデビューするとき、あるいは、これから土地家屋調査士の資格の勉強を始める人にとって、選択できるプロセスはさまざま用意されています。ここでは、代表的な選択肢をご紹介しましょう。
法人に所属するか、独立するか。土地家屋調査士にはさまざまな選択肢がある
まず理解しておいてほしい点は、土地家屋調査士の資格を取得した人には、さまざまな活躍ステージが用意されている点です。それは例えば、下記のような三つのパターンがあります。
・土地家屋調査士の資格取得後、個人営業事業主として事務所を開設する
・土地家屋調査士の資格取得後、調査士事務所に補助者(アシスタント)として登録する
・土地家屋調査士の資格取得後、土地家屋調査士法人に所属する
土地家屋調査士の資格を取得した後はさまざまなルートがあるものの「土地家屋調査士の資格を取得したら、すぐに個人営業事業主になりたい」という人は、事務所開設時に測量機のTS(トータル・ステーション)の購入費に100万円以上、CAD(設計・製図の支援システム)導入に100万円~150万円、その他、事務所開設費用、移動のための車の購入費といった初期費用が必要になることを理解しておきましょう。
そうはいっても土地家屋調査士の資格取得後、すぐに初期費用を用意できる人は少ないので、1年目にどのようなスキルを身につけておけばよいか、どのルートが自分に合っているかを考えておくと、遠まわりせずに最適なルートを選択できるはずです。
働きながら土地家屋調査士の資格を取得したい人は
現在、土地家屋調査士として活躍している人の中には「今後、土地家屋調査士の資格を取得したい」「将来的に土地家屋調査士として活躍したい」と考え始めてから資格の勉強を始め、方向転換する人もいます。その場合、下記のような方法があります。
・土地家屋調査事務所または土地家屋調査士法人に補助者(アシスタント)として入社し、働きながら資格取得をめざす
・業務連携の多い司法書士兼業の事務所に入社し、働きながら資格取得をめざす
・測量会社に入社し、働きながら土地家屋調査士の資格取得をめざす
・違う業界で働きながら、土地家屋調査士の資格取得をめざす
一つめの「土地家屋調査事務所または土地家屋調査士法人に補助者として入社し、働きながら資格取得をめざす」は、土地家屋調査士資格取得者の仕事をお手伝いしながら力を養い、資格の勉強をするケースです。
二つめの「業務連携の多い司法書士兼業の事務所に入社し、働きながら資格取得をめざす」は、法律的な手続きや測量など土地登記業務をワンストップサービスで完結する司法書士兼業の事務所で働きながら、資格の勉強をするケースです。
そして三つめの「測量会社に入社し、働きながら土地家屋調査士の資格取得をめざす」は、土地家屋調査士と業務連携の多い測量会社に入社しながら、資格の勉強をするケースです。
最後は、まったく違う分野で社会人経験を積んだ後に、資格の勉強をするケースです。
こうしたさまざまなプロセスの中で、働きながら資格の勉強をしている人も多く、晴れて資格を取得したあかつきには、土地家屋調査士として独立するため働きながら開設資金を準備する人もいます。
最近は、土地家屋調査士の資格試験受験者の年齢層は20代後半が多い傾向にありますが、これは新卒で社会に出た後に土地家屋調査士のことを知り、あらためて土地家屋調査士をめざす人が多いことを物語っています。そのため焦る必要はありませんので、多様な選択肢やプロセスの中から、何が自分にとって最善の方法かをみつけていきましょう。
力石洋平
主に都内の土地家屋調査士事務所にて勤務しながら資格学校に通い調査士試験に合格。 土地家屋調査士登録後、さまざまな土地、建物の測量、登記業務に関わる。資格指導校で講師として、また法務局の筆界調査委員としても活躍している。