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税理士が仕事をするときの心がけ

税理士が仕事をするときの心がけ

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安定志向から税理士をめざす人は多いですが、「税理士試験に合格した」「税理士になった」だけで将来安泰かと言ったら、けっしてそうではありません。
税理士として働きたい人の数とそのニーズのバランスは崩れてきており、税理士として安定して生計を立てていくことは簡単ではない時代に入っています。
今回はその背景と、税理士として長く活躍し続けるために必要なことについて考えてみましょう。

税理士は“ライバル”の多い職業

税理士は、独占業務と呼ばれる、税理士資格をもつ人にだけ許される業務をおこなうことができます。そう聞くと「ライバルは少ないのでは?」と思われがちですが、税理士におけるライバルは“同業者”です。合格率は10%台と難関試験として知られる税理士試験ですが、弁護士や公認会計士、税務署で一定期間働いた人にも税理士資格は与えられます。
実際に、中小企業の倒産による顧客減少や弁護士人口の増加による就職難などから、公認会計士や弁護士が税理士を兼ねるケースは増えており、税務署OBが退職後に税理士として働くケースも少なくないと言われています。また、税理士に定年は無く、なかなか世代交代が進みづらい業界でもあります。

これらの理由から、税理士になる人に対して就職先のポストや仕事の依頼が十分にあるかと言えばそうではなく、仕事が見つからず困っているという声が聞かれることもあります。では、そんなライバルの中で“選ばれる税理士”になるには、どうしたらいいのでしょうか。

得意分野での“スペシャリスト”をめざす

税理士がおこなう業務には、独占業務である「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」のほかにも、会計帳簿の記帳サポートや決算書の作成といった「会計業務」、経営・節税対策・資金繰りなどの相談にのる「コンサルティング業務」などがあります。
どの業務にも幅広く対応し、「何でもやれます!」と言えることももちろん強みではありますが、どの税理士も同じような発信をしていたとしたら、選ぶ側としては誰を選んだらいいのか決め手に欠けるというデメリットも発生します。

そこで有効なのが、あえて「自分の専門はコレです!」と宣言してみることです。税理士・税理士事務所のホームページや顧問税理士・税理士事務所を探せる検索サイトに載っているプロフィール文を見ていると、『創業・開業支援ならおまかせ』『融資調達・相続税対策に強い』『クラウド会計専門の事務所です』『医院・医療法人の税務・経営に詳しいです』など、どんな分野に強いのかをわかりやすく書いているケースがあります。
もし自分が「起業を考えているけれど、経営や法律に詳しくない」としたら、それをサポートしてくれそうな税理士さんを選びたいと考えるでしょうし、「創業・開業支援ならおまかせ」という税理士さんに話を聞いてみたいと思うでしょう。

ほかにも、ワークライフバランスの概念が浸透し、労働者の働き方が多様化する中で、雇用者と労働者の間でトラブルが増えているという話も耳にします。労働契約の管理、労務管理(給与計算・勤怠管理)、社会保険・労働保険関係の手続きといった“労務”のプロフェッショナルである「社会保険労務士」の国家資格を取得すれば、税務・会計・資金繰り・人事・労務のあらゆる面から「どの点に気をつけて会社経営をすればいいか」のアドバイスができる、総合コンサルタントとして働く道を開拓することもできそうです。

税理士は、お客さんあっての“サービス業”

税理士は、どちらかというと公務員のような公的な職業のイメージがありますが、本来は仕事を依頼してくれるお客さんあっての商売です。独立・開業した個人の税理士の場合は特に、どれだけ知識や技術をもっていたとしても、お客さんに選ばれなくては収入を得ることはできません。

税理士として信頼を獲得し、多くの人から頼りにされるために重要なのは、どうすれば相手の役に立てるかを常に考え、相手によろこんでもらえるサービスを提供することです。  
そのためには、税務に関することだけでなく社会のさまざまなニーズに目を向け、自分の仕事と結びつけてその解決方法を考えてみることが大切になってくるでしょう。
また、意外な特技や知識が税理士の業務の幅を広げることに一役買うこともありますので、学生時代にはジャンルを問わずさまざまなことにチャレンジし、自分の“好き”や“得意”をとことん追求してみるのもいいかもしれません。

取材協力・監修

髙橋昌也※2020年9月8日更新

税理士。東京地方税理士会川崎北支部所属。2007年に税理士登録。「小さなおしごとの支援」を掲げ、小規模事業者に特化して業務を展開。各種事業計画の策定や金融機関との交渉など、経営に関する幅広い分野について支援を実施。2013年には経営革新等支援機関の認定取得。税理士業務で学んだ知識や経験を生かし、文化・芸術活動の支援にも携わる。

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