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秘書として働く場合に取得しなければならない資格はありません。原則としては、最終学歴の出身学部や学科も問われず、幅広い方面から目指せる仕事です。ただし、民間資格がいくつかあります。文部科学省が後援し公益財団法人実務技能検定協会が実施する秘書検定は、最も多くの秘書希望者が取得を目指すものです。秘書としての知識やスキルを身につけていることを証明するものなので、より上位の級を取得しておくと、採用面接などの際にアピールポイントになります。
秘書検定の級
秘書検定は、複数ある秘書に関する民間資格のなかで、最もポピュラーなものです。1級・準1級・2級・3級の4つの級があります。受験資格はありません。誰でもどの級からでも受験できます。3級は初歩的な秘書的業務をこなせる能力の判定です。2級は一般的な秘書的業務を処理する能力の判定です。秘書のレベルでいえば、まだ見習いの段階です。準1級で秘書の職務を十分に理解し、業務に当たれるレベルとなります。1級はさらに高度な知識・技術をもつと判断されます。最も受験者が多いのは2級で、全体の約半分を占めています。大学生の受験者が多いのも2級です。一般的な社会人としての知識やマナーを身につけるのが目的ならば2級で十分ですが、高度な業務をこなせる秘書を目指すなら、1級取得をおすすめします。ただし、実際の現場で働いた経験の裏付けがない状態での受験が多いので、たとえ1級を取っても、秘書として働ける下地はあると認められただけです。秘書検定を取得したからといって、現場の第一線で活躍できると約束されたものではないことを頭の隅に置いておきましょう。
秘書検定の内容
すべての級に共通して問われるのは秘書としての「必要とされる資質」「職務知識」、ビジネスの場における「一般知識」「マナー・接遇」、文書作成やオフィスの環境整備といった「技能」の5つの領域です。前半3領域を理論、後半2領域を実技と分けて、それぞれの正答率が60%以上ならば合格となります。令和6年6月の合格率は、3級は70.3%、2級は58.4%、準1級は42.5%、1級は34.4%となっています。なお、3級・2級・準1級はマークシート方式の選択問題と記述問題、1級はすべて記述問題です。準1級と1級では、筆記試験に合格すると2次試験として面接があります。面接では課題の指示に従って上司役に報告する「報告」と同様に、来客役に応対する「状況対応」のロールプレイングを行う、より実践的な内容です。同時に、面接時の態度や振る舞いなども、併せて審査の対象となります。
国際秘書(CBS)検定
国際秘書(CBS)検定は、すでに秘書として働いている人が主な対象です。国際舞台で活躍できる秘書養成を目指す検定制度で、一般社団法人日本秘書協会が行っています。経営・会計・法律などの基礎知識や高度な秘書実務が求められ、日本語と英語の読み・書き・会話におけるビジネスレベルでの力の重視が大きな特徴です。英会話はもちろん英文書類作成の力なども求められます。外資系企業などで秘書のエキスパートとして働きたいという人に向いている資格です。
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