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国家公務員である労働基準監督官は採用後、定期的に転勤をしながら、さまざまな地域特性や産業構造の中で実務を経験していくのが通例です。実績が認められれば都道府県労働局長、労働基準監督署長への道も開かれています。また、労働基準監督官を経て社会保険労務士になる人もいます。現在、政府の規制改革推進会議では、労働基準監督官の業務の一部を社会保険労務士に委託するという提言が出されており、将来的には両者の関係性がより密接なものになっているかもしれません。
労働基準行政の要職でさらなる実力を発揮
労働基準監督官のキャリアは、全国に321ある労働基準監督署への配属からスタートします。
その後は原則的に転勤を繰り返し、労働行政の最前線でさまざまな職責を果たしながらステップアップしていきます。
能力や実績しだいでは都道府県労働局長、労働基準監督署長などの要職に就いて労働基準行政機関をけん引する立場になることも可能です。
社会保険労務士として活躍する道も
労働基準監督官という職業は、国家公務員としての安定性と福利厚生が魅力です。
一方で転勤が多いことから、結婚や家族の環境変化に応じて、まれに社会保険労務士として民間への転職や独立開業を選択する人がいます。
労働保険手続きの代行などを行う社会保険労務士は国家資格が必要な職業ですが、労働基準監督官としての職務経験が一定期間あれば国家試験の一部科目が免除されるメリットがあります。
労働基準監督官は労働法規を事業者に指導する側である一方、社会福祉労務士は事業者側の専門家として労働問題に関与します。両者の関係は検察と弁護士の間柄に似ているとも言われます。