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弁理士の20年後、30年後はどうなる?

弁理士の20年後、30年後はどうなる?

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AIの出現で、なくなる仕事なくならない仕事という話題が注目を集めていますが、テクノロジーが発達していくことで、仕事への向き合い方に変化が生まれる可能性はあります。AIの発展により弁理士という仕事はどのように影響を受けるのかについて、AIとの共存も含めて考えてみます。

弁理士の働き方と質を大きく変えるであろうAI技術の発達

AIとの関係性については、弁理士会でも話題になったそうですが、ある弁理士によれば、「AIができる業務もあれば、できない部分もある」というのが率直な印象だそうです。
弁理士業務において大きなウェートを占める調査や資料の作成といった作業に関しては、AI技術を導入することで効率化を図れることでしょう。翻訳業務や経理業務なども、同じくAIが関与することで楽になる可能性は高いと言えます。
例えば、会計ソフトを導入して経理の人の手間が省けた分、違う仕事を手伝ってもらうといったようなケースが、それに当たります。
ただ、AIが代行できる業務がある一方、AIでは対応が難しい内容があるのも事実です。
人の思惑が入り込む余地のある交渉や分析のほか、従来の技術とどういうところが違うのかについて、ほかの技術分野のことも考えながら多角的に分析し調整して書類を書くといったような作業は、人が実施しなければうまくいかないケースも多々あるようです。

相手のことを思いやる精神がより重要に

海外との調整という面でも、まだまだ人はAIには負けていません。
海外に商品を輸出するときには海外で特許を取る必要があり、例えばアメリカに商品を輸出する場合、アメリカで似たような権利があると輸出はできません。
ただし日本の特許には、日本で出願した日から1年間は有利な状態でアメリカに出願できるという「優先権」が定められています。優先権を生かしながらアメリカで権利行使しやすい形で明細書を書く必要がありますが、その際に行う現地との交渉は、AIではまだ厳しい面があるでしょう。
また、あらかじめ海外進出を念頭に置いて日本で出願するケースでは、あらゆるシチュエーションを想定しなければなりません。そのためには海外の代理人とのつながりをもち、関係性を築くことで円滑に交渉や調整を進めていくことも重要です。
これらの能力は人間のほうが優れていると言えますし、出願がスケジュール的にぎりぎりとなる状況も少なからずあります。押し迫ったなかで細かいコミュニケーションを取るのはAIでは難しい面もあるなど、弁理士とAIが共存できる可能性は十分にあるでしょう。

AIが代行できる業務もありますが、複雑な条件を考慮しなければならない案件や、場の空気やクライアントの想いなど、コミュニケーション能力が求められる場面では、間違いなく弁理士が必要とされるはずです。これからは事務作業をAIにまかせられる反面、これまで以上に質と能力が試されるようになっていくのでは、と考えられます。

取材協力先 久門 保子

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