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裁判所事務官になるために特に資格は必要なく、「裁判所職員採用試験」に合格さえすれば、裁判所事務官になることは可能です。裁判所では、偏りなく多種多様な人材を求めていることから、どこの学校を出たということよりも、裁判所事務官にふさわしい知能や知識(一般教養、法律の基礎知識、文章読解力、表現力など)が問われることになります。高校卒業後、それらの力をつけられる学校に進学することが一般的なルートと言えるでしょう。政策の企画立案を行う総合職を目指す場合は、採用試験の難易度も上がるため、総合的に力をのばせる4年制大学や大学院に進学し、試験に臨む人が多いようです。一般職の場合は、4年制大学・短大・法律専門学校などに進学するか、高校卒業後、独自に採用試験の勉強に取り組むことでも合格を目指すことができます。
4年制大学
裁判所事務官の総合職試験と一般職試験(大卒程度区分)では試験科目に法律科目が含まれていますが、いずれも細かな専門知識の有無を問うものではありません。また、第1次の専門試験では刑法と経済理論のいずれかを選択することができますし、採用後に法律の知識を習得する機会も用意されています。そのため、法学部で法律学を学んでいることは裁判所事務官になるための絶対的な条件ではなく、経済学部・教育学部・文学部・理学部など、さまざまな学部の出身者が活躍しています。とはいえ、全体を見ると、法学部出身者はやはり多い様子。法律に関する基礎知識があることで法律科目の試験に対応しやすいほか、裁判所事務官から裁判所書記官を目指す際に裁判所職員総合研修所で行われる研修の期間が通常の2年から1年に短縮される点が、法学部出身者のアドバンテージと言えるでしょう。
大学院
「法律についてより深く学びたい」と、大学卒業後、法学系の大学院に進学する人もいます。学部卒業後さらに2年以上大学に通うことになりますので、裁判所事務官としてのキャリアスタートはやや遅れますが、裁判所事務官になるための採用試験の中で最も難易度の高い「総合職試験(院卒者区分)」の合格を目指す場合には、大学院で身につけた専門知識が役に立つでしょう。
法律専門学校
大学や大学院以外に、法律専門学校でも法律学の知識を身につけることが可能です。大学や大学院は研究機関であり、学問を追究することを目的とした場ですが、専門学校の場合は「なりたい職業に就くために必要な『試験突破』『資格取得』」を一番の目的に据えていることが多く、裁判所事務官のように専門的かつ難易度の高い採用試験の合格を目指す人にフィットする進学先とも言えます。合格実績の多い学校はそれだけ試験対策のノウハウをもっているとも考えられますので、どの専門学校に通うか迷ったときには、1つの指針にしてもいいかもしれません。
中卒や高卒でも裁判所事務官は目指せる
裁判所事務官は、大学院や大学を出ていないとなれないかといえば、そうではありません。例えば、総合職試験(大卒程度区分)、一般職試験(大卒程度区分)は試験の実施年度の4月1日における年齢が21歳以上30歳未満であれば学歴に関係なく受験が可能。また、一般職試験(高卒者区分)も、高校卒業見込みおよび高校卒業後2年以内、または中学卒業後2年以上5年未満であれば受験することができます。そのため、中卒または高卒でも裁判所事務官を目指すことができるのです。とはいえ、裁判所職員採用試験は難易度も競争率も高いことで知られていますから、試験対策は必要です。参考書を購入して独学で勉強をすることもできますが、法律専門学校の試験対策コースでプロから試験突破に必要な知識を教わるほうが効率的であると言えるでしょう。
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