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自衛官になるには

自衛官になるには

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高校卒業後、自衛官になるための進路は、複数あります。陸上・海上・航空自衛隊の中核を担う“曹(そう)”という階級の自衛官を養成する「一般曹候補生」、任期制の自衛官である「自衛官候補生」、大学・大学院卒業者を対象とする「自衛隊幹部候補生」、海上自衛隊・航空自衛隊のパイロットを養成する「航空学生」など、さまざまな採用種目が設けられているので、自衛官としてどんなふうに活躍したいのかを考えたうえで、自分の希望に合わせて進路を選ぶといいでしょう。また、「防衛大学校」「防衛医科大学校」といった、防衛省が運営する教育機関に入校し、幹部自衛官を目指すという進路もあります。

まずは知っておこう! 自衛官の階級とは

自衛官には階級があり、16階級が定められています。大きく5段階に分かれていて、さらに細かく等級が定められています。
最も下位の「2士」から最も上位階級の「将」まで、次のようになります。

●士(し)
2士・1士・士長

●曹(そう)
3曹・2曹・1曹・曹長

●尉官(いかん)
准尉・3尉・2尉・1尉

●佐官(さかん)
3佐・2佐・1佐

●将官(しょうかん)
将補・将
こうした16階級の中で、「3尉」以上の8つの階級が幹部自衛官とされています。

陸・海・空自衛隊の基幹隊員となる「一般曹候補生」

「曹」とは、陸上・海上・航空自衛隊における小部隊のリーダーに当たる階級の自衛官。専門分野に精通し、曹の下位の階級である自衛官「士(し)」の指導を行い、幹部を補佐するという役割を担っています。部隊の基幹要員となる存在で多くの人材が必要とされることから、「一般曹候補生」採用試験の応募資格年齢も18歳以上から33歳未満と幅広く、高卒者、大卒者や社会人経験者など、広く門戸が開かれています。「自衛官候補生」として採用される自衛官は任期制ですが、「一般曹候補生」で採用される自衛官は、定年まで勤務することができます。

一定期間の任期制自衛官として勤務する「自衛官候補生」

自衛官候補生とは、採用後、3カ月の基礎教育を経て任官する任期制自衛官です。陸上自衛官は1年9カ月(一部の技術系は2年9カ月)、海上・航空自衛官の場合は2年9カ月を1任期として勤務します。最も低い階級の「2士(2等陸士・2等海士・2等空士)」として任官し、約6カ月後に「1士(1等陸士・1等海士・1等空士)」に昇任、さらに1年後に陸上・海上・航空の各「士長」に昇任するというコースです。限られた任期で働く自衛官ですが、任期中には教育訓練や、資格取得の機会が与えられ、任期満了時には退職手当の支給や、民間企業などへの就職支援も受けられます。また、陸上・海上・航空のいずれの所属でも、任期満了後に希望すれば任期を更新して勤務を継続することも可能(2任期め以降は2年ごとに更新)。

防衛省の教育機関で幹部自衛官を目指す

防衛省では、陸上・海上・航空の各自衛隊の幹部自衛官を養成する防衛大学校(修学年限/4年)のほか、医師や保健師、看護師として陸上・海上・航空自衛隊の幹部自衛官を目指す、防衛医科大学校医学科(修学年限/6年)・防衛医科大学校看護学科(自衛官候補看護学生:修学年限/4年)という教育機関を設けています(※1)。これら教育機関の学生として学ぶには、それぞれの「学生採用試験」を受験し、合格することが必須。合格後は特別職国家公務員として身分が保証され、入学金・授業料はかからず、月々の学生手当と年2回の賞与の支給を受けながら、学業と訓練に励みます。
卒業後、自衛官として任命される階級は「曹長」。そこからさらに陸上・海上・航空自衛隊の各自衛隊の幹部候補生学校に入校し、約1年の教育訓練を受けて「3尉(3等陸尉・3等海尉・3等空尉)」の階級に昇任します(※2)。その後、自衛隊の職種・職域に応じた専門教育を受けながら幹部としての道を進んでいきます。
(※1)防衛医科大学校看護学科では、「保健師・看護師である幹部自衛官」を育成するコースのほか、「保健師・看護師である技官」を育成するコースも設けています。
(※2)防衛医科大学校医学科の場合、卒業後に幹部候補生学校に入校して約6週間の教育訓練を受け、「2尉(2等陸尉・2等海尉・2等空尉)」の階級に昇任します。

海上・航空自衛隊の養成課程でパイロットを目指す

高等学校卒業または高専3年修了(見込みを含む)で20代前半の男女には、海上自衛隊・航空自衛隊のパイロットを養成する「航空学生」になるという選択肢があります。航空学生の応募年齢は海上自衛隊で18歳以上23歳未満、航空自衛隊の場合は18歳以上24歳未満。採用試験に合格すると、海上自衛隊・航空自衛隊に入隊し、学生宿舎で団体生活を送りながら飛行幹部候補生として教育や飛行訓練を受けます。名称は「学生」ではありますが、特別職国家公務員である自衛官として月々の俸給(給与)と、年2回の賞与が支給されます。

一般大学・大学院を卒業し、「自衛隊幹部候補生」採用試験に応募する

一般大学や大学院を卒業・修了した人(卒業見込みを含む)などが応募できる「自衛隊幹部候補生」の「一般幹部候補生採用試験」(※)にチャレンジし、合格すると、幹部自衛官を目指すことができます。採用試験合格後、まず、陸上・海上・航空の各自衛隊の曹長に任命され、幹部候補生学校で約1年の教育訓練を受けた後、「3尉(3等陸尉・3等海尉・3等空尉)」になることができます(大学院卒業者対象の採用試験合格者は2等陸尉・2等海尉・2等空尉に昇任)。ただし、採用人員は一般曹候補生や自衛官候補生ほど多くはなく、狭き門であるといえます。
(※)「自衛隊幹部候補生」採用試験には、大学で歯学または薬学(6年制課程)を学んで卒業した人(卒業見込みを含む)を対象にした「歯科幹部候補生」「薬剤科幹部候補生」のコースもあります。

そのほかの方法

このほか、高校生が自衛官を目指すルートには「技術曹」「自衛隊貸費学生」「予備自衛官補」といったコースがあります。それぞれの概要を解説します。

●技術曹
技術分野で即戦力となる自衛官を採用する制度。20歳以上で、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊のそれぞれで指定された資格をもっていることが、採用試験の応募条件となっています。指定されている資格はIT、電気通信、衛生、医療などさまざまな分野にわたっていますが、保有資格によっては、応募条件として「21歳以上」「23歳以上」など年齢が細かく規定されていたり、一定の業務経験年数が必要とされています。

●自衛隊貸費学生
大学の理学部、工学部の3年次または4年次の学生、あるいは大学院(専門職大学院を除く)で理学・工学を専攻する修士課程の学生で、卒業(課程修了)後、自衛隊に勤務したい意志をもつ人に対し、学資金を貸与する制度。貸費学生採用試験に合格すると、毎月、防衛省より学資金の貸与(※)を受けることができます。卒業(修了)後は陸上・海上・航空自衛隊の一般幹部候補生として採用され、幹部候補生学校での約1年間の教育訓練を経て、大学・大学院での専攻に応じた防衛技術分野の幹部自衛官として勤務します。なお、貸与を受けた学資金は、4年以上かつ学資金貸与期間の1.5倍の期間、自衛隊に勤務することで、返還は免除になります。
(※)学資金:毎月5万4000円が貸与されます(2023年4月1日現在)。

●予備自衛官補
予備自衛官とは、普段は学生や一般社会人として活動しながら、有事や災害の際に招集され、任務に当たる自衛官です。これまでも東日本大震災や能登半島地震などの大規模災害発生時に招集を受け、人命救助や輸送支援、給水・給食などの生活支援に従事しました。こうした重要な役割をもつ予備自衛官になるには、「予備自衛官補」の採用試験に合格し、所定の教育訓練を受けた後、予備自衛官として任用されるという方法があります。予備自衛官補の採用試験は、「一般公募」と「技能公募」の2つのコースがあります。一般公募は、日本国籍をもち、18歳以上52歳未満であれば応募可能です。技能公募に応募できるのは、日本国籍をもつ18歳以上で、特定の技能や資格(医療、語学、情報処理、法務分野など)をもつ者(保有する資格により、年齢の上限は53歳未満~55歳未満)。試験に合格して予備自衛官補として採用されると、非常勤の特別職国家公務員として、教育訓練招集手当などが支給されます。

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